「70歳以上」では25%を超える、新型コロナの死亡率
予想以上に高い高齢者の死亡率
新型コロナウイルスに感染した「70歳以上の患者」の死亡率が25%を超えることが分かりました。
これは、厚労省の会議に、国立感染症研究所 感染症疫学センターの鈴木 基(もとい)教授が提出した報告書によるものです。
この記事では、公開されたデータから「70歳以上の患者」に関する項目を紹介します。
「70歳以上」は4人に1人が死亡
今回の調査の対象は、2020年1月16日から8月19日までに自治体が公表した、58,256人のデータです。
この調査では、5月末日までを「第一波」、それ以降を「第二波」と分けています。
第一波と第二波では、新型コロナに感染した人の死亡率に差があり、第一波では6.0%、第二波では4.7%でした。
しかし、死亡率を年齢別に見ると、共通の特徴があることが分かりました。
第一波、第二波とも、「50歳未満」の死亡率はほぼ0%でした。
「50歳~69歳」の死亡率は約3%です。
そして、「70歳以上」の感染者に限ると、死亡率が25%を超えています。
つまり、「70歳以上」で新型コロナウイルスに感染すると、4人に1人が死亡しています。
高齢者が、新型コロナウイルスに感染すると、死に至る可能性がとても高いのです。
患者数は少ないが、死者の大半を占める
別の角度から、高齢者の危険性を見てみましょう。
第一波の感染者のうち、「70歳以上」の割合は20.3%でした。
しかし、死亡した人では、「70歳以上」の割合は84.6%です。
つまり、患者全体の2割しかいない「70歳以上」から、死者の8割が出ているのです。
第二波は、さらに極端で、感染者のうち「70歳以上」は8.8%しかいません。
しかし、死者のうち「70歳以上」が占める割合は83.6%と下がっていません。
つまり、全体の1割もいない「70歳以上」の患者が、死者の8割を占めているのです。
新型コロナでは、高齢者の死亡率が極端に高く、死者が「70歳以上」に集中しているのです。
感染を広める行為が死を招く
今回のデータでは、新型コロナでは、年齢が高いということが、いかに危険なことであるかが分かりました。
しかし、これは自分が若ければ、新型コロナに感染しても大丈夫という意味ではありません。
たとえ、自分が若くて、症状が軽くても、それだけでは済みません。
だれかと、三密になりやすい状況で同席すれば、あなたが感染を広めてしまう可能性があります。
そして、あなたから感染した人が高齢の場合、4人に1人という高い確率で死亡する可能性があります。
高齢者に新型コロナを広めてしまったら、その人の人生を終わりにしてしまう可能性があるのです。
あなたが高齢者であれば、自分が感染しないように注意を払ってください。
高齢者でなければ、高齢者に広めないように注意を払ってください。
自分の身も大切ですが、周囲にいる高齢者にも配慮した行動が必要なのです。