60歳以上の貯金は「500万円未満」が最多。必要だと思う額は「2,000万円以上」
貯金は年金と並ぶ老後の柱
定年後の生活を支える資金は、年金と貯金が柱となります。
しかし、だれもが十分な貯金ができているわけではありません。
この記事では国が行なった調査をもとに、60歳以上の人の実際の貯金の状況を紹介します。
2020年1月に行なわれた面接調査には、全国の60歳以上の男女1,755人が回答しています。
自分の貯金は「100万円以上500万円未満」
「現在の貯金の総額」で、一番多い回答は「100万円以上500万円未満」でした。
そして、次に多いのが「2,000万円以上」です。
同じ60歳以上でも、貯金の金額には、かなりの差があることが分かります。
さらに、「貯金がない」人も8%います。
必要となる貯金額は「2,000万円以上」が最多
「これからの生活に必要となる貯金の金額」を聞いています。
一番多い回答は「2,000万円以上は必要」でした。
次いで、「1,000万円~2,000万円くらいは必要」「500万円~1,000万円くらいは必要」と金額が多い順に続きます。
つまり、貯金は多ければ多いほど良いと考えているのです。
自分の貯金で「足りると思う」人も少なくない
今回の調査によって、自分の貯金は「100~500万円」、必要となる貯金は「2,000万円以上」と、現実と希望の間には、大きな差があることが分かりました。
では、将来に備えて、現在の貯金の金額で、足りると考えているのでしょうか。
「現在の貯金は備えとして十分か」と聞いています。
「少し足りない」と「かなり足りない」を合わせると、5割以上の人が「足りないと思う」としています。
しかし、「十分だと思う」と「最低限はある」を合わせると、4割以上の人は「足りると思う」と答えています。
自分の貯金が必要と思っている金額には届かなくても、「足りる」と思っている人が、半分近くはいるのです。
もちろん、貯金は、たくさんあればあるほど良いのは間違いありません。
老後までに、時間的な余裕があるのであれば、「貯金を増やす」つまり、使えるお金を増やすことが大切です。
しかし、どうしても2千万円貯めなければならないというものではありません。
いま手元にあるお金だけで暮らしていけると考えている人も多いことは知っておくべきでしょう。