60歳以上の収入は「10~20万円」が最多。「30万円以上」は3割を切る
60歳を過ぎると、収入が減る
60歳を過ぎると、サラリーマンとして働き続けていても、雇用形態が変わって収入が少なくなります。
65歳を過ぎて、会社を離れると、「年金」が収入の柱になります。
いずれの場合でも、現役として働いている時期に比べると、収入は少なくなります。
では、具体的には、どれぐらいの収入があるのでしょうか。
また、その収入は、どうやって得ているのでしょうか。
この記事では国が行なった調査をもとに、60歳以上の収入と、その内訳を紹介します。
2020年1月に行なわれた面接調査には、全国の60歳以上の男女1,755人が回答しています。
月の収入で一番多いのは「10~20万円」
まず、「1カ月当たりの収入の平均額」を聞いています。
なお、夫婦ともに収入がある場合は、その合計です。
一番多い回答は、「10万円~20万円未満」でした。
次に多いのが「20万円~30万円未満」で、上位の2つで50%を越えます。
月の収入が30万円を超える人は、全体の3割もいません。
やはり、現役時代に比べれば、60歳以降の収入は少ないことが分かります。
収入の柱は「年金」
次に「収入の種類」、つまり内訳を聞いています。
一番多いのは「公的年金、恩給」で、9割近くの人が挙げています。
金額の大小はあっても、年金が収入の柱になっていることが分かります。
年齢を「65歳以上」に限ると、93%の人が「公的年金、恩給」を挙げており、老後の収入源として欠かせないものであることが分かります。
働いて収入を得ている人は「4割」
次に多いのが「仕事による収入」でした。
こちらは4割以上の人が挙げています。
「仕事による収入」は、年齢による差が大きいのが特徴です。
「60~64歳」では80%以上の人が働いていますが、80歳以上になると10%まで下がります。
現役で働ける年齢には限界があるということでしょう。
「あまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」
今回の調査によって、60歳以上の収入は、月に「20万円未満」が多く、多くても「30万円未満」であることが分かりました。
では、このような経済状態を、本人はどう感じているのでしょうか。
「現在の経済的な暮らし向きについてどのようにお考えですか」と聞いています。
「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」が一番多い回答でした。
全体の5割以上がこれを選んでいます。
これに「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」を合わせると、74%の人が「心配なく暮らしている」と答えています。
一方、「家計にゆとりがなく、多少心配である」という人は2割で、「家計が苦しく、非常に心配である」と合わせると、25%の人が「心配である」と答えています。
つまり、4人のうち3人は「経済的な心配なく暮らして」おり、残りの1人が「経済的に心配である」と言う割合です。
収入の金額から想像するよりも、経済的な不安をあまり感じないで生活している人が多いことが分かります。