60代後半の男性は5割以上、女性も3割以上が働いている
人口の3割近くは「高齢者」
日本では、65歳以上の高齢者の割合が「28.7%」を占めています。
この割合は過去最高で、人口の4人に1人以上が高齢者ということになります。
「65歳以上」の人口は「老年人口」と呼ばれ、「15歳~64歳」の「生産年齢人口」とは区別されています。
つまり、なんらかの生産活動に従事している年齢を終えて、現役世代に生活を支えられている世代というわけです。
しかし、身の回りを見ても、65歳以上で働いている人はたくさんいます。
いったい、65歳以上の人は、どれぐらいの割合で働いているのでしょうか、そして、それは働いている人全体の何割を占めているのでしょうか。
総務省の資料をもとに、65歳以上の働き方をグラフで紹介しましょう。
60代後半の男性は半分以上が働いている
「65歳以上」で働いている人の割合は、男性が「34.1%」、女性が「17.8%」です。
ただし、「65~69歳」に限ると、男性が「58.9%」、女性が「38.6%」で、かなり多くの人が働いていることが分かります。
これが「70歳以上」になると、「24.7%」と「11.8%」まで下がります。
65歳以上になっても、60代のうちは、働いている人が多いのです。
働いている人の1割以上が「高齢者」
今度は、働いている人全体に占める高齢者の割合を見てみましょう。
すべての就労者のうち、高齢者の割合は「13.3%」です。
つまり、働いている人の1割以上は、65歳以上が占めているのです。
そう考えると、働いている高齢者を、よく見かけることも不思議ではありません。
高齢者が半分を超える「農林業」
働いている人のうち、高齢者が占める割合は、産業によって大きな差があります。
例えば、「農業、林業」では、高齢者が占める割合は「52.2%」もあります。
農業や林業で働いている人の半分以上が高齢者なのです。
また、「不動産業、物品賃貸業」や「サービス業」なども、高齢者の割合が高い産業です。
逆に「情報通信業」や「金融業、保険業」は、高齢者が少ない産業です。
雇われている高齢者の半分以上は「パート、アルバイト」
最後に、高齢者の働き方を見てみましょう。
働いている高齢者の56.9%は「役員を除く雇用者」です。
つまり、社員や契約社員、パート、アルバイトとして雇われている人が、半分以上を占めています。
次に多いのが「自営業」、残りが「役員」です。
特に「自営業」は30%以上を占めており、高齢になっても続けやすい働き方であることが分かります。
「役員を除く雇用者」のうち、一番多いのは「パート、アルバイト」で、52.7%と半分を超えています。
「正社員」や「契約社員」は少数派です。
65歳以上で雇われて働くときは、社員にこだわらず、「パート、アルバイト」で働くことを想定しておきましょう。