「直葬」の急増から、「一日葬」に変化したコロナ禍の葬儀
葬儀社に聞いたコロナ禍の葬儀
終活関連サービスの鎌倉新書が「コロナ禍におけるお葬式の実態調査」の結果を公開しています。
この調査は、葬儀社を対象に行なわれたため、新型コロナウイルス流行のもとで行なわれている葬儀の実情を知ることができます。
2020年8月から9月にかけて行なわれたインターネット調査には、鎌倉新書と提携している120社が回答しています。
主流は「直葬」から「一日葬」へ
今年に入ってからの葬儀の形式について、「感染拡大前」「緊急事態宣言下」「緊急事態宣言解除後」「8月以降」の4つの時期ごとの変化を聞いています。
4月から5月にかけての「緊急事態宣言下」では、「直葬/火葬式」が増えました。しかし、その後は減っています。
その代わりに、増えているのが「家族葬」と「一日葬」です。
なお、「家族葬」は参列する人を親族や特に親しい人に限る形式、「一日葬」はお通夜を行わずに、告別式と火葬を1日で執り行う形式です。
葬儀の規模は今後も縮小する
今後の予想として、「葬儀の規模は縮小したし、今後も縮小すると思う」という回答が8割以上を占めました。
今後も規模の縮小は続くと感じている葬儀社が多いことが分かります。
ほとんどの葬儀社が感染予防対策を行なっている
葬儀の現場での感染予防対策を聞いています。
「新型コロナウイルス対策をしている」葬儀社は、9割を超えています。
従業員のマスクは9割以上
葬儀社の従業員に対する予防対策について聞いています。
「マスクの着用」と「消毒液の使用」は9割以上が行なっています。
また、「手洗い/うがい」についても、7割以上が行なっています。
出席者側も「マスク」が当たり前に
葬儀の喪主や親族についても、予防対策は欠かせません。
「マスクの着用」と「手洗い/うがい」は7割以上、「消毒液」でも、6割が義務付けています。
オンラインの導入は2割未満
新型コロナウイルスの流行によって、葬儀においても、オンライン化を進めるべきだという意見があります。
実際に、オンライン化が、どこまで進んでいるかを聞いています。
「オンライン相談」「オンライン供花/弔電/香典の受付」「オンライン葬儀中継」のすべてにおいて、導入率は2割に届いていません。
現在は、葬儀のオンライン化は一部に留まっている状態です。
鎌倉新書では、次のようにコメントしています。
グリーフケアの観点で「直接別れを告げること」は非常に大切です。
今後、状況に応じて実際の参列とオンラインを組み合わせて活用してくことが重要になっていくかもしれません。
葬儀社は喪主や参列者の「選択の幅を広げる」ことで、今後ますます多様化する葬儀の形に対応することがポイントになります。