新型コロナが中小企業に打撃。資金繰りが切迫
千人の中小企業の経営者に聞いたアンケート
ファクタリングサービスのピーエムジーが、「コロナ倒産に関する調査」の結果を公開しています。
ファクタリングサービスとは、企業の売掛金を買い取って現金化するサービスです。
2020年9月に行なわれたインターネット調査には、従業員数100名以下の中小企業経営者1,035人が回答しています。
「経営状態が悪化した」が7割以上
「新型コロナウイルスの影響で、経営状態はどのように変化しましたか」という質問に、7割以上が「悪化した」と回答しています。
次に多いのが「特に変わらない」で、「良くなった」という回答はほとんどありません。
資金繰りができず「給料を払えない」
「今、苦しいこと」という質問に対しては、次のようなコメントが寄せられました。
- 給料を払えない(50代女性)
- 資金繰り(50代男性)
- 金融機関が貸し渋りをしてきた(40代女性)
新型コロナウイルスによる収入の減少と資金繰りに悩んでいる様子が分かります。
真っ先に頼るのは「給付金や補助金」
「倒産を防ぐために行なっている対策」を聞いています。
一番多いのは「給付金や補助金、助成金の申請」でした。
新型コロナウイルス対策として用意された、「持続化給付金」などの制度を利用することが、一番の対策となっています。
そして、「融資」が続きます。
この2つが、倒産を防ぐためには欠かせない対策となっているようです。
また、その他の対策として「早期退職の検討」が挙がっており、状況の厳しさが伝わってきます。
●書類作成が負担となっている
「検討中の対策について困っていること」を聞いています。
多いのは「様々な手続きが必要になる」と「書類作成の手間」でした。
補助金などの申請に伴なう書類の作成が中小企業経営者にとって、大きな負担となっていることが分かります。
「正直待っていられない」ほど資金が切迫
ここまでの質問で、中小企業の経営者は、資金繰りに悩んでいることが分かりました。
実際に、どれぐらい困っているのでしょうか、「資金調達する上でどのくらいの期間であれば待てますか」と聞いています。
一番多い回答は「正直待っていられない」で、すでに切迫した経営状況であることが分かります。
次に多いのも「一週間程度」で、あまり余裕がありません。
補助金が切れたときが、本当の危機
今回のアンケートは、中小企業のごく一部の経営者が対象ですが、それでも、新型コロナウイルスによって打撃を受け、資金繰りに困っている状況が分かりました。
いまは補助金などの制度の利用に重点を置いています。
しかし、これらの制度には期限があり、今年の年末から年度末で切れてしまいます。
年末が近づくにつれて、資金繰りに困り、「早期退職」や「解雇」「事業の停止」などを検討する中小企業が増加することが心配されます。