数千円の投資で「歩行者」にも自動ブレーキがかかる、トヨタの「機能追加キット」
過去5年に販売された11車種が対象
トヨタ自動車が、すでに販売された自動車の安全性能を高めるためのキットを発売しています。
キットの正式名称は「プリクラッシュセーフティ 昼間の歩行者検知機能追加キット」で、価格は4,180円(税込み)です。
キットは全国のトヨタ販売店で販売されており、作業時間に応じて工賃がかかります。
対象となる車種は、過去5年ほどの間に発売された11車種で、グレードによって対象外となる場合もあります。
対象機種の一覧は、この記事の末尾に掲載されています。
「昼間の歩行者」が対象に追加される
「キット」の内容は、自動車本体に装備されている安全運転機能「Toyota Safety Sense(トヨタ セーフティ センス)」のソフトウェアをアップグレードするものです。
このアップグレードにより、自動車との衝突を回避する機能の対象に「歩行者」が加わります。
つまり、「自動車とぶつからないクルマ」が、「自動車と歩行者にぶつからないクルマ」に進化します。
たとえば、道の脇に停めてあった自動車の陰から、急に「歩行者」が出てきたときには、次の順序で衝突を回避します。
- 運転席のブザーや液晶ディスプレイの表示で警告し、ブレーキを踏むことを促す
- ブレーキが踏まれると、自動車が止まれるように、その力を補助する
- ブレーキが踏まれなかった場合は、自動的にブレーキをかけて自動車を止める。止まれない場合でも、被害を軽くする
なお、自動ブレーキが動作する速度には、制限があります。
- 歩行者 10~65km/h
- 自動車 10~80km/h
また、歩行者が対象となるのは、昼間だけで、夜間は対象となりません。
絶対に歩行者にぶつからないというわけではありませんが、ぶつかる可能性を減らすことができると思えば良いでしょう。
安全運転機能は進化が続いている
自動車の「衝突回避システム」は、5年ほど前から普及し始めました。
そして、毎年、その機能は向上しています。
わずか数年前に購入した自動車でも、安全運転機能は最新のものではありません。
今回発売された「キット」の特徴は、自動車本体のハードウェアは、そのままで、ソフトウェアのアップグレードだけで機能を向上させていることです。
これによって、工賃別とはいえ数千円のコストで、安全運転機能が向上します。
ハードウェアは、そのままですから、新しく登場した最新の車種と同等にはなりません。
しかし、わずか数千円で、歩行者との事故を避けられる可能性が高くなるならば、意味のある投資と言えるでしょう。
「キット」の対象となる自動車に乗っているのであれば、ぜひ購入を検討してください。
「キット」の対象車種と製造年月日
発売中
- アクア 2015年11月~2018年4月
- ヴィッツ 2015年6月~2018年5月
- ノア 2016年1月~2019年1月
- ヴォクシー 2016年1月~2019年1月
- エスクァイア 2016年1月~2019年1月
- シエンタ 2015年7月~2018年9月
11月発売予定
- プロボックス 2016年8月~2018年11月
- サクシード 2016年8月~2018年11月
- ポルテ 2016年6月~2019年7月
- スペイド 2016年6月~2019年7月
- JPN TAXI 2017年10月~2019年3月