年金制度の国際ランキングで、日本は39カ国中の32位と低評価
[2020/10/24 00:00]
39カ国の年金制度をランキング化
資産運用分野のコンサルティング会社であるマーサーが、「グローバル年金指数」のランキングを公開しています。
「グローバル年金指数」は、世界各国の年金制度の弱点を浮き彫りにし、持続可能な制度とするための指標です。
2020年度は、世界の人口のほぼ3分の2を網羅する39カ国の退職制度を比較検証しています。
今回の日本の総合指数は「48.5」で、39カ国中の32位に留まりました。
これは、欧米の主要国よりも低く、韓国の下、中国の上となっています。
ランキングの一覧は、記事末に掲載しています。
雇用制度などとの連携も必要
今回の結果について、マーサージャパンの北野信太郎氏は次のようにコメントしています。
本指数は老後の所得補償の観点から、各国の年金制度を比較・評価していますが、そこで浮き彫りになった課題に対応しようとすると、どうしても雇用との関係を考えざるを得ません。
例えば、日本の指数を改善するための策として、公的年金の支給開始年齢の引き上げが挙げられていますが、これは高齢人材の雇用をどうするか、という問題とセットで考えねばなりません。
今年の5月には、世界経済フォーラムとマーサーが共同で「Redesigning Retirement」というイベントをアジア地域で実施しましたが、そこに出席された日系企業の人事関係者からは、高齢人材の多くは企業が求めるスキルや能力を持ち合わせていない、との厳しい指摘を数多く受けました。
「雇用の保障」には実に多くの観点が関係するため、単に本指数の点数を上げること一つとっても、老後の生活保障の観点だけでなく、包括的な視点からのアプローチが求められると考えています
このコメントを読む限り、ランキングの順位が、すぐに上昇する可能性は低いでしょう。