リモートワークを継続する職場は7割。不安は対面コミュニケーションの不足
リモートワークの継続方針を聞く
シンクタンクのカオナビHRテクノロジー総研が、「リモートワーク実態フォロー調査」の結果を公開しています。
2020年8月に行なわれたインターネット調査には、リモートワークで働いている20代~60代の男女300人が回答しています。
このアンケートの特徴は、今後のリモートワークの継続方針に触れているところです。
リモートワークを継続する職場は7割
所属している組織の「リモートワークの継続方針」について聞いています。
一番多いのは、「出社とリモートワークが併存」でした。
程度の差はありますが、今後もリモートワークを継続予定であるという回答が7割を超えました。
すでにリモートワークを行なっている企業の多くは、リモートワークを継続する方向であることがうかがえます。
一方で、「出社に戻る」という人も1割以上います。
リモートワークを望んでいるが、必要な時には出社したい
「どのような勤務形態が望ましいか」を聞いています。
一番多い回答は、「出社とリモートワークが選択可能」でした。
回答者の半分がこれを選んでいます。
出社を望む理由は「社内の対面コミュニケーションの減少」が多く挙がっています。
次に多いのは「全員がリモートワークとなり許可制で出社」でした。
許可制にする理由としては、「自由に選ばせると出社を優先する人が多い」という声がありました。
会社に出社するという習慣は、とても堅固なものであることが分かります。
人との接触が減ったことで困っている人が7割
「出社」を望む理由として、社内のコミュニケーション不足を感じている人が多いことが分かりました。
実際には、どれぐらい多くの人が、困ったと思っているのでしょう。。
「社内の対面コミュニケーションが減少したことで、うまくできずに困っていることがある」人は、7割を超えました。
リモートワークによって、人との接触が減ったことで困っている人は多く、リモートワークを続ける上での大きな障害となっているのです。
職場は「周囲の雰囲気」が分かる
「社内の対面コミュニケーションの減少」によって、どんな問題が発生しているのでしょう。
「上司」と「部下」に分けて見てみましょう。
「上司」は、「部下や後輩への指示・指導や育成」が多くなっています。
極端に言えば、上司側は「部下がさぼっているのではないか」と不安に思っているわけです。
一方、「部下」は「何気ない会話でリラックスをすること」が1位でした。
「部下」は、同僚との雑談というコミュニケーションがないことがストレスになっているのです。
また、両方に共通する困りごととして「他部署や他チームの動向や、周りの人の仕事の状況を自分が知ること」が挙がっています。
テレワークに支障を感じて、出社を希望する人の多くは、このような言葉によらない社内の雰囲気が無いことで不安を感じています。
つまり、職場では、自分の仕事だけ集中しているのではなく、無意識のうちに周囲の雰囲気に眼を配り、自分の立場を確認しながら動いている人が多いことが分かります。
テレワークを定着させるには、このような会社内での言葉を使わないコミュニケーションを、どうするかということにも配慮が必要でしょう。