新型コロナウイルスの死亡率が5分の1に低下
[2020/10/31 00:00]
重症化率や死亡率が低下
新型コロナウイルスと診断された人が、人工呼吸器が必要になるほど重症になったり、死亡する率が、6月以降に下がっていることが分かりました。
これは、京都大学の西浦教授が、政府の会議に提出した資料によるものです。
死亡率は約5%から1%に
西浦教授の資料では、新型コロナウイルスによる重症化率と死亡率を、2つの時期に分けて分析しています。
まず、重症化率を見てみましょう。
2020年1月~4月は「9.80%」でしたが、6月~8月は「1.62%」に下がりました。
つまり、6月以降は、以前の6分の1になりました。
グラフの数字は四捨五入していますので、表も掲載しましょう。
一方、死亡率は1月~4月の「5.62%」から、6月~8月は「0.96%」に下がりました。
こちらも、6月以降は、以前の5分の1になっています。
年代別にみても、各年代で重症化率と死亡率の両方が下がっています。
高齢者の危険性は変わらない
6月以降は、感染者全体の重症化率と死亡率が下がりました。
しかし、年齢が高くなるほど重症になりやすいという傾向は変わっていません。
例えば、30代の重症化率を「1」とすると、10代では「0.2」ですが、90歳以上では「78」になります。
つまり、90歳以上の人が新型コロナウイルスに感染したときに重症になる確率は、30代の人の78倍も高いのです。
新型コロナウイルス全体の重症化率や死亡率が下がっても、高齢者にとって危険な病気であることは変わりがありません。
若い人が感染したときの危険は少ないといっても、それを高齢者にうつしてしまったときの危険性は何十倍も高いのです。
高齢者が家族にいる人は、家族のためにも、新型コロナウイルスに感染しないように努めてください。