年金積立金の運用が、3カ月で4.9兆円の黒字。コロナの暴落分を回復
[2020/11/10 00:00]
2期連続で黒字を達成
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、2020年第2四半期の運用成績を公開しています。
2020年7月から9月の3カ月間の運用成績は「4兆9,237億円」の黒字でした。
GPIFの運用成績が黒字なのは、2四半期連続です。
四半期の収益率は「3.05%」
「GPIFが、たった3カ月で約5兆円を儲けた」というと、ものすごいことにように見えます。
「5兆円」という金額が、私たちの日常感覚を超えているので、金額自体に驚いてしまうのです。
しかし、第2四半期の収益率は「3.05%」にすぎません。
GPIFが運用している資産が約167兆円と巨額なので、数%の利益であっても、大きな金額になるのです。
4つの分野すべてが黒字
GPIFは、どんな投資をしているのでしょうか。
GPIFの投資方針は、「外国株式」「国内株式」「外国債券」「国内債券」の4つの分野に、それぞれ25%を目安に投資しています。
それぞれの収益率は、下の表の通りですが、株式が5~6%、債券がわずかなプラス、という状態です。
第2四半期は、投資した4つの分野のすべてで収益を上げることができています。
株価も上がり、債券も安定した、好条件の四半期だったことが分かります。
新型コロナによる暴落分を取り戻した
GPIFは、2019年度第4四半期に、「17兆7,072億円」という巨額の赤字を出しました。
理由は、新型コロナウイルスの影響による株式市場の暴落です。
しかし、2020年度は2期連続で好成績を挙げたことで、「17兆4,106億円」の黒字となりました。
つまり、新型コロナによる暴落の影響を、ほぼ取り返したことになります。
このような動きを見ていると、投資した株が下がっても、粘り強く投資を続けることの大切さが分かります。