政府の新型コロナ対策分科会が緊急提言。感染急拡大の恐れ
流行拡大を受けた「緊急提言」
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が、新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受けて、「緊急提言」をまとめ、政府に対して提言しています。
「緊急提言」がまとめられた11月9日には、北海道で初めて200人以上の陽性者が確認されるなど、各地で新型コロナウイルスの感染拡大が確認されました。
分科会では「急速な感染拡大に至る可能性が高い」として、今回の緊急提言をまとめました。
求められている「5つのアクション」
この緊急提言では、初めて経験する冬場においても社会経済活動と両立できるよう、国民、自治体、国等のそれぞれに求められる具体的な「5つのアクション」がまとめられています。
「5つのアクション」
- 今までよりも踏み込んだクラスター対応
- 対話のある情報発信
- 店舗や職場などでの感染防止策の確実な実践
- 国際的な人の往来の再開に伴う取り組みの強化
- 感染対策検証のための遺伝子解析の推進
特に重視されている「クラスター対応」では、「接待を伴う飲食店」「外国人コミュニティ」「高等教育機関(大学など)」「職場」のそれぞれにおいて、踏み込んだ対策が行なわれることを求めています。
また、「国際的な人の往来の再開」については、検疫結果の情報公開や、外国人を受け入れる医療機関への支援」が対策として挙げられています。
対策が伝わっていないという反省といらだち
緊急提言では、これまでの情報発信について、次のように反省しています。
『三密や大声が感染リスクを高めるというメッセージは繰り返し発信してきた。(中略)しかし、最近の感染状況を見ると、こうしたメッセージが人々の実際の行動変容及びその維持につながるようには必ずしも十分には伝わってこなかった可能性がある』
そして、特に若年層や宴会の参加者を中心に興味を持ってもらえる方法で伝えること。その際には、YouTubeやSNSなど、様々な媒体を活用することを、政府に求めています。
感染拡大を防ぐための対策を提言しても、それがなかなか伝わらず、流行が止まらないことに対するいらだちが感じられます。
流行が止まらない場合は「強い対策」も
今回の「5つのアクション」を行なった上で、なお感染拡大が止まらない場合は、どうなるのでしょうか。
緊急提言では、『5つのアクションを実施しても、8月の分科会で提言された4段階のステージのステージIII相当以上と判断された場合には、社会経済活動に一定の制約を求めるような強い対策を行なう必要がある』としています。
つまり、2020年4月から5月にかけて行なわれた「緊急事態宣言」のような強制力のある対策が行なわれる可能性さえあります。
再び、イベントの中止や、全面的な営業の自粛などが起こらないように、基本的なことから感染予防対策を進めましょう。