新型コロナの流行を受けて、「GoToキャンペーン」の見直しを表明
首相が見直しを表明
11月21日に、菅義偉首相が記者会見し、「GoToキャンペーン事業」の見直しを示唆しました。
「GoToキャンペーン事業」は、新型コロナウイルス対策で営業不振となった、旅行業と飲食業を助けるための対策として、政府からの補助金が出ているものです。
旅行を対象にした「GoToトラベル」は、感染が拡大している一部地域において、一時停止をする措置の導入を行ないます。
また、旅行中の飲食の時間短縮を要請します。
外食を対象にした「GoToイート」は、新規発行の一時停止を自治体に要請します。
これにより、2つのGoToキャンペーン事業は、ある程度の制限を受けることになるでしょう。
専門家から見直しが要請されていた
「GoToキャンペーン事業」については、11月20日の新型コロナウイルス感染症対策分科会において、見直しが要請されていました。
分科会では、Gotoキャンペーンについて、次のように指摘していました。
「Gotoトラベル」
- Gotoキャンペーンが新型コロナ流行の原因という証明はないが、一般的には人々の移動が感染拡大に影響すると考えられる
- 感染が拡大している地域においては、都道府県知事の意見も踏まえ、一部区域の除外を含め検討してほしい
「Gotoイート」
- プレミアム付食事券の新規発行の一時停止を要請する
- 既に発行された食事券やオンライン飲食予約サイトで付与されたポイントの利用を控える旨の利用者への呼びかけを要請する
分科会では、現在の流行状況について、次のように強い危機感を表しています。
すでに、政府の指標で「ステージIII」に入りつつある都道府県がある。
また、その都道府県内の一部の地域では、既にステージIII相当の強い対策が必要な状況に達したと考えられる地域も存在する。
今まで通りの対応では、早晩、公衆衛生体制及び医療提供体制が逼迫する可能性が高いと判断している。また、このままの状況が続くと、結果的には経済・雇用への影響が甚大になってしまうと考えられる。
そして、短期間(3週間程度)に集中して、感染リスクが高い状況に焦点を絞った強い対策が必要と訴えています。
Gotoキャンペーン事業以外では、次のような対策を求めています。
- 酒類の提供を行なう飲食店に対し、夜間の営業時間の短縮要請又は休業要請
- 感染が拡大している地域との間の出入り移動の自粛
- 年末年始の休暇の分散
- マスクの着用などの感染予防対策の徹底
札幌市、東京、大阪などが流行地
新型コロナウイルス感染状況を示す、政府の指標は4段階となっています。
現時点で、北海道の札幌市、東京都、大阪府など、新型コロナウイルスの感染が拡大しており、いくつかの指標がステージIIIの基準を超えています。
これらの地域については、いっそうの感染予防に努めてください。