新型コロナの感染場所が「夜の繁華街」から「家庭」へ変化
感染の特徴が変わった「第三波」
東京都医師会が行なった記者会見において、東京都における新型コロナウイルスの感染場所と、新規陽性者の年齢の変化が明らかになりました。
7月から8月にかけての、いわゆる「第二波」と、11月のいわゆる「第三波」では、感染の特徴が変わっているのです。
具体的には、「夜の繁華街」での感染が減り、「家庭」が大幅に増えました。
また、新規の陽性者は、「20代」と「30代」が減り、「40代」以上が増えています。
2つの変化について、グラフを中心に紹介します。
「家庭」で感染する人が増えている
まず、感染場所の変化から見ていきましょう。
公開された資料では「7月26日~8月1日」と「11月6日~12日」を比較しています。
グラフでは、それぞれ「7月」と「11月」と略しています。
「7月」で一番多いのは「家庭」の27%ですが、次に多いのが「夜の繁華街」で21%を占めています。
「11月」も一番多いのは「家庭」ですが、41%まで増えています。
そして「夜の繁華街」が3%まで減り、「職場」や「会食」よりも少なくなりました。
つまり、「7月」は接待を伴う飲食などで「夜の繁華街」で感染する人が多かったのが、「11月」は家庭内で家族から感染する人が増えたのです。
11月は「40代」以上の陽性者が増えている
次に、新規陽性者の年齢の変化を見てみましょう。
こちらは「8月4日~10日」と「11月10日~16日」を比較しています。
グラフでは、それぞれ「8月」と「11月」と略しています。
「8月」は、「20代」が多く、38%を占めていました。
しかし、「11月」になると、「20代」は24%まで減りました。
そして、その分「40代」以上が増えています。
つまり、「8月」は20代と30代が流行の中心でしたが、「11月」はその傾向が弱まり、40代以上の感染者が増えているのです。
最後に、新規陽性者に占める、高齢者の割合を見てみましょう。
「65歳以上」の割合は、8月初旬は「5.5%」でした。
しかし、11月中旬では「13.2%」まで増えています。
10月以降は、65歳以上の割合は増えていません。しかし、新規感染者が増えたので、高齢者の「人数」は増え続けています。
自分を守ることが家族を守ることになる
新型コロナウイルスは、高齢者ほど重症化しやすいという特徴があります。
それだけに、「65歳以上」の高齢者の新規陽性者が増えるのは好ましいことではありません。
高齢者が感染して重症化することで、医療機関の負担が増え、重傷者用ベッドの空きも少なくなってしまいます。
東京都医師会では、家族に高齢者がいたり、高齢者と接触する機会がある人は、とくに感染予防に努めるよう呼びかけています。
自分が新型コロナウイルスに感染しないことが、高齢者を含む家族の命を守ることにつながるのです。