新型コロナの感染場所が「夜の繁華街」から「家庭」へ変化

[2020/11/23 00:00]

感染の特徴が変わった「第三波」

東京都医師会が行なった記者会見において、東京都における新型コロナウイルスの感染場所と、新規陽性者の年齢の変化が明らかになりました。

7月から8月にかけての、いわゆる「第二波」と、11月のいわゆる「第三波」では、感染の特徴が変わっているのです。

具体的には、「夜の繁華街」での感染が減り、「家庭」が大幅に増えました。

また、新規の陽性者は、「20代」と「30代」が減り、「40代」以上が増えています。

2つの変化について、グラフを中心に紹介します。

「家庭」で感染する人が増えている

まず、感染場所の変化から見ていきましょう。

公開された資料では「7月26日~8月1日」と「11月6日~12日」を比較しています。

グラフでは、それぞれ「7月」と「11月」と略しています。

「7月」で一番多いのは「家庭」の27%ですが、次に多いのが「夜の繁華街」で21%を占めています。

「11月」も一番多いのは「家庭」ですが、41%まで増えています。

そして「夜の繁華街」が3%まで減り、「職場」や「会食」よりも少なくなりました。

つまり、「7月」は接待を伴う飲食などで「夜の繁華街」で感染する人が多かったのが、「11月」は家庭内で家族から感染する人が増えたのです。

出典:東京都のデータをもとに編集部が作成

11月は「40代」以上の陽性者が増えている

次に、新規陽性者の年齢の変化を見てみましょう。

こちらは「8月4日~10日」と「11月10日~16日」を比較しています。

グラフでは、それぞれ「8月」と「11月」と略しています。

「8月」は、「20代」が多く、38%を占めていました。

しかし、「11月」になると、「20代」は24%まで減りました。

そして、その分「40代」以上が増えています。

つまり、「8月」は20代と30代が流行の中心でしたが、「11月」はその傾向が弱まり、40代以上の感染者が増えているのです。

出典:東京都のデータをもとに編集部が作成

最後に、新規陽性者に占める、高齢者の割合を見てみましょう。

「65歳以上」の割合は、8月初旬は「5.5%」でした。

しかし、11月中旬では「13.2%」まで増えています。

10月以降は、65歳以上の割合は増えていません。しかし、新規感染者が増えたので、高齢者の「人数」は増え続けています。

出典:東京都

自分を守ることが家族を守ることになる

新型コロナウイルスは、高齢者ほど重症化しやすいという特徴があります。

それだけに、「65歳以上」の高齢者の新規陽性者が増えるのは好ましいことではありません。

高齢者が感染して重症化することで、医療機関の負担が増え、重傷者用ベッドの空きも少なくなってしまいます。

東京都医師会では、家族に高齢者がいたり、高齢者と接触する機会がある人は、とくに感染予防に努めるよう呼びかけています。

自分が新型コロナウイルスに感染しないことが、高齢者を含む家族の命を守ることにつながるのです。

出典:東京都医師会
[シニアガイド編集部]