新型コロナが大きく影響。宿泊業の倒産が1.5倍に増加
[2021/1/18 00:00]
昨年の1.5倍に倒産が増加
企業情報調査会社の東京商工リサーチが、2020年の「宿泊業」の倒産が、前年の1.5倍に増えたと発表しました。
2020年の1年間に、倒産した宿泊業は「118件」でした。
これは2019年の「75件」の1.5倍にあたります。
倒産が多い「長野県」
都道府県別で、宿泊業の倒産が一番多いのは。「長野」で12件でした。
東京商工リサーチでは「温泉地やスキー場など多数の観光地を抱える長野でコロナ禍の影響が大きかった」としています。
そして、「東京」が11件、「静岡」が9件で続きます。
以下、「三重」「京都」「福島」が各5件、「大阪」「兵庫」「奈良」「新潟」が各4件でした。
売上が上がらない不況型の倒産
宿泊業の倒産の原因で一番多いのは「販売不振」でした。
そして、「既往のシワ寄せ(赤字の累積)」が続きます。
これに「売掛金の回収難」を加えると、倒産原因のほとんどを占めます。
このような不況型の倒産が多いのは、2020年の宿泊業が、新型コロナウイルスの影響を大きく受けたためです。
新型コロナが大きな打撃
東京商工リサーチでは、宿泊業に対する新型コロナウイルスの影響について、つぎのようにまとめています。
新型コロナ感染拡大はインバウンド観光客の入国停止、緊急事態宣言発令による外出自粛などで、人の移動を大幅に制限し宿泊業界に大打撃を与えた。
政府は2020年7月、観光業界への支援で「GoToトラベル」キャンペーンを開始したが、一部の人気観光地や宿泊施設に予約が集中し、恩恵に与れなかった宿泊施設も出ていた。
2020年11月には、新型コロナ感染の第三波が始まり、「GoToトラベル」キャンペーンも全国的に停止し、再び宿泊業界は苦境に追い込まれている。
東京オリンピック/パラリンピックの開催も含めて、2021年も新型コロナウイルスが、宿泊業に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。