新型コロナの集団感染は、東京都だけで「641件」発生
クラスターの発生が止まらない
2020年に東京都で発生した新型コロナウイルスの集団感染(クラスター)が、「641件」に上ることが分かりました。
この記事では、東京都の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で公開された資料をもとに紹介します。
発生が一番多いのは「企業」
統計の対象になったのは、2020年2月14日から12月までの期間です。
この期間に発生したクラスターは「641件」でした。
発生した場所別に見ると、「企業」、つまり会社のオフィスが一番多く「174件」でした。
これだけで、全体の2割を超えます。
次に多いのが「医療機関」で「94件」です。
以下、「高齢者介護福祉施設」「飲食店」「学校/教育機関」と続きます。
ここまでの5つの場所で、発生件数の8割以上を占めています。
クラスターの発生に3つのピーク
クラスターの発生件数を月別に見てみましょう。
発生件数を見ていくと、4月をピークとする「第一波」、8月がピークの「第二波」、そして12月がピークの「第三波」が見て取れます。
3つの中では「12月」が一番多く、今が流行のまっただ中であることが分かります。
新型コロナウイルスの新規感染者の増減は、クラスターの発生に大きく影響されていることが分かります。
「企業」がクラスターの主力
クラスターの発生が一番多い「企業」について、月別の増減を見ると、ほぼ全体と同じように変化していることが分かります。
「企業」で発生しているクラスターは、常に多く、クラスターの主力となっているのです。
いったん抑えていた「医療機関」が再燃
クラスターの発生が二番目に多い「医療機関」の増減を見ると、4月に大きなピークがあり、それ以降は12月まであまり発生していません。
「医療機関」のクラスターは、「第一波」の主力となりましたが、それ以降は対策が進んだために減っていたのです。
しかし、第三波がピークに向かうとともに、また増えてきています。
いったん抑えていた新型コロナウイルスの流行が再燃しているのです。
なお、第三波では「高齢者介護福祉施設」のクラスターも多く、「企業」「医療機関」とともに主力となっています。
つまり、現在の「第三波」は、一つのクラスターが原因ではなく、流行する可能性があるすべての場所でクラスターが発生していることが分かります。
逆に言えば、それだけ新型コロナウイルスが場所を問わずに流行しているのです。
常に新型コロナウイルスに感染する可能性があるということを忘れずに、感染予防に努めてください。