「60代」でスマホを使っている人は73%、「70歳以上」では40%
政府によるスマホの利用調査
内閣府が「情報通信機器の利活用に関する世論調査」の結果を公開しています。
2020年10月から11月にかけて行なわれた郵送調査には、18歳以上の男女2,015人が回答しています。
ここでは、スマホを利用している割合について紹介します。
スマホの利用は「60代」から減り始める
まず、「スマートフォンやタブレットを利用していますか」という質問をしています。
回答者全体では、「よく利用している」が68%、「ときどき利用している」が9.8%でした。2つを合わせた「利用している」という人は77.8%でした。
しかし、スマホの利用割合については、年齢が大きく影響します。
「利用している」の割合は、「18~29歳」では98.7%でした。
つまり、回答者のほとんどが、スマホやタブレットを利用しています。
しかし、18歳から50代までは、90%以上の人がスマホを利用していますが、「60代」では73%まで下がってしまいます。
さらに「70歳以上」になると、スマホを使っている割合は40%しかおらず、半分以上の人が使っていません。
使わない理由は「必要ない」から
スマホを使っていない人は、何が理由なのでしょうか。
ここでは、「70歳以上」でスマホを使っていない302人に、その理由を聞いています。
一番多い理由は「自分の生活には必要ないと思っているから」でした。
次に多いのが「どのように使えば良いかわからないから」です。
そして、三番目が「必要があれば家族に任せればよいと思っているから」でした。
この3つの回答が、スマホを使っていない人の代表的な理由と見て良いでしょう。
使うきっかけは「操作や設定が簡単になる」
スマホを使っていない人は、どんなきっかけがあれば使ってくれるのでしょうか。
「どんなことがあれば、スマートフォンやタブレットの利用につながると思うか」と聞いています。
「70歳以上」の522人の回答で一番多いのは、「操作や設定が簡単になる」でした。
次に「機器の値段や通信料金が下がる」が続きます。
三番目は「楽しさや便利さを知る機会がある」で、あまり差がなく「利用することで家族や友人とのコミュニケーションを取る機会が増える」が続きます。
回答者全体では「値段」を挙げる人が多いのですが、「70歳以上」では「操作が簡単になる」の方が多くなります。
それだけ、「スマホは操作が難しそうだ」という印象が強いのでしょう。
人生の後半になって登場したものを使いこなすのは難しい
今回の調査では、スマホを使う/使わないは、男女差が小さく、年齢による差が大きいことが分かりました。
具体的には、「60代」からスマホを使わない人が増え始め、「70歳以上」ではスマホを使っていない人の方が多くなります。
「70歳以上」の人は、スマホが普及し始めた2000年代には、すでに50代以上でしたから、使う機会がないままに過ごしてしまった人も多いのでしょう。
アンケートにもあるように、これから新たに利用してもらうためには、スマホの面白さや便利さを伝えていくことが大切でしょう。