「新型コロナ対策のために入場料が高くなっても見に行く」人は3割しかいない
公演を見に行く人へのアンケート
東京都が、「新型コロナウイルス感染症に伴うホール・劇場等の鑑賞者意識調査」の結果を公開しています。
2021年1月に行なわれたインターネット調査には、2019年にホールや劇場で公演を見た経験がある20歳から79歳までの男女1,808人が回答しています。
9割以上の人が見る公演を減らした
最初に、2020年の6月から11月の半年間に公演を見た回数について聞いています。
「見に行かなかった」人が6割、「2019年に比べて減った」人が3割でした。
つまり、回答者の9割以上が、公演を見に行く回数を減らしています。
公演を観た回数は「1回」が5割
実際に見た回数を聞くと、「1回」が5割、「2回」が2割でした。
見に行く回数が4回以下の人が、全体の9割を占めています。
行かない理由は「中止」と「感染の不安」
「見に行く回数が減った理由」を聞いています。
「見たい公演が中止・延期になった」と「劇場やホールで新型コロナに感染するのが不安だった」という人が、それぞれ5割を超えています。
新型コロナに感染することを恐れて公演を見に行かない人が、かなり多いことが分かります。
感染の不安があるうちは行きたくない
では、どのような状況になったら、以前のように見に行くのでしょうか。
一番多い回答は「新型コロナに感染する不安が少しでもあるうちは見に行かない」でした。
新規の感染者数が減ったり、ワクチンが普及することも大切ですが、それだけではなく感染への不安に対する対策が必要なことが分かります。
チケットの値上げは受け入れられない
新型コロナへの対策として、観客席を一つおきに使うなどして、収容率を50%に下げるという方法があります。
この場合、以前に比べて観客が減るために、公演の料金を引き上げるなどの対策が必要になります。
つまり、チケットの料金が値上げになる可能性が高いのです。
しかし、一番多い答えは「通常のチケット料金と同程度の金額でないと公演は見に行かない」でした。
「料金が高くなっても見に行く」という人は、回答者の3割しかいません。
緊急事態宣言が終わっても元に戻る人は遠い
今回のアンケート結果を見る限り、新型コロナによって、公演に行く気持ちが大きく損なわれたことが分かります。
1年前に公演を見に行った経験がある人を対象にしているのに、「少しでも感染の可能性があれば公演に行かない」、「少しでもチケット代が値上がりするなら行かない」という人が多いのです。
今回の回答を見る限り、現在行なわれている「緊急事態宣言」が解除されたとしても、劇場やホールで行なわれる公演に、以前のように人が足を運ぶようになるには、長い時間がかかるでしょう。