新型コロナ関連倒産が急増。「飲食店」がダントツ
直近3カ月で急増
企業情報調査会社の帝国データバンクが「新型コロナウイルス関連倒産」の統計を公開しています。
2021年3月12日時点の新型コロナ関係の倒産は「1,150件」でした。
月別の推移を見ると、2020年12月から2021年2月にかけて、120件を超える状態が続いています。
2度目の緊急事態宣言の発令もあって、ここ数カ月で急激に経営状態が悪化したことが分かります。
飲食、建設、ホテルに打撃
倒産した企業を業種別に見ると、「飲食店」が186件で、一番多くなっています。
2位に比べても2倍近い件数があり、新型コロナの影響の大きさが分かります。
2位は「建設、工事業」、3位は「ホテル、旅館」でした。
なお、この統計では「アパレル」と「食品」については、「小売」「卸売」「製造」を分けているので少なく見えます。
しかし、3つを合わせると、それぞれ120件を超えて、2位と3位に相当します。「アパレル」と「食品」も大きな打撃を受けているのです。
東京都が4分の1を占める
倒産した企業の所在地を都道府県別に見ると、東京都が「274件」で、全体の4分の1を占めています。
そして、大阪府、神奈川県が続きます。
上位の3都府県は、緊急事態宣言が発令されていた地域で、人口が多い大都市圏ということもあって、倒産する企業が多くなっています。
ほとんどの企業は再建できない
倒産した1,150件のうち、1,027件がなんらかの法的整理を選択しています。
そして、法的整理の95%は、事業を整理して終了させる「破産」でした。
つまり、倒産した企業のほとんどは、そのまま事業を停止して、市場から退場しています。
事業を再建する手段である「民事再生法」や「会社更生法」を選択している企業は、4%しかありません。
それだけ経済状況が厳しく、再建のためのスポンサー探しなどが難しいことが分かります。