新型コロナの影響で前年の2.6倍に増えた、上場企業の早期希望退職

[2021/3/16 00:00]

新型コロナの影響で前年の2倍以上に

企業情報調査会社の東京商工リサーチによれば、2020年に早期希望退職を募集した上場企業は「93社」でした。

これは、前年の35社から2.6倍も増えました。

早期希望退職の募集人員も増えており、判明した80社だけでも「18,635人」に達しました。

これは前年の11,351人に比べて、約7千人も増えています。

2020年の早期希望退職の状況は、リーマン・ショック直後の2009年の「191社」「22,950人」に次ぐもので、過去10年間では最悪の結果となりました。

出典:東京商工リサーチ

赤字企業が半数を超える

早期希望退職を募集した企業の、直近の決算を見ると、そのうちの55%は赤字でした。

黒字で体力がある企業が行なう構造改革ではなく、新型コロナウイルスの打撃で業績が悪化した上場企業が従来型の「赤字リストラ」に着手していることが分かります。

「アパレル」が2割を占める

早期希望退職を募集した企業を業種別に見ると、一番多いのは「アパレル」でした。

「アパレル」は18社が募集しており、全体の2割を占めます。

ついで、「自動車関連」と「電気機器」が、それぞれ11社でした。

また、「外食」「小売」、そして「サービス」に含まれる「旅行」など、新型コロナウイルスの影響が大きい業種が続きます。

出典:東京商工リサーチのデータをもとに編集部が作成

中規模な募集が多い

2020年は、募集人員が「300人以下」の中小規模の募集を行なう企業が多く、全体の7割を占めています。

一方、募集人員が1,000人を超える大型の募集は、「日立金属」と「レオパレス21」の2社に留まり、前年の4社から半減しています。

大型の募集が少ない一方で、業績不振の中小企業による募集や、大企業の部門縮小に伴なう募集など、多くの企業が必要に迫られて募集するケースが多いのです。

1年に二回募集する企業も

新型コロナウイルスによる影響が急激に進行したため、1年に二回早期希望退職を募集した企業が8社もありました。

つまり、一度、早期希望退職を募集したにも関わらず、さらなる業績の悪化で二度目の募集を迫られたのです。

例えば、大手総合免税店兼家電量販店の「ラオックス」、繊維の「アツギ」、メディア事業の「Success Holders」(旧商号ぱど)が、その例です。

さらに、東京商工リサーチでは、「コロナ禍が長引くことで、2020年同様に年内に複数回の募集に踏み切る企業や2年連続で募集を行なうケースが増勢する懸念がある」としています。

[シニアガイド編集部]