リタイア時に安心できる貯金は「2,550万円」。現在の貯金は「50万円未満」
30代40代の老後設計
貸金業のSMBCコンシューマーファイナンスが、「30代・40代の金銭感覚についての意識調査」の結果を公開しています。
2021年2月に行なわれたインターネット調査には、30歳～49歳の男女1,000人が回答しています。
この記事では、リタイア前後の金銭事情について紹介します。
リアイア時にほしい貯金は「1～2千万円」
まず、「リタイア時にどのくらいの貯蓄があれば安心できるか」と聞いています。
一番多い回答は、「1,000万円～2,000万円」でした。
全体の2割強の人がこれを挙げています。
そして、「500万円～1,000万円」と「2,000万円～3,000万円」が続きます。
中には、「1億円以上」とする人も4％いて、リタイア時の貯金は「いくらあっても不安」であることも分かります。
では、安心できる金額の平均は、いくらなのでしょう。
ここでは、「数億円」などの極端なデータの影響を防ぐために、「調整平均」という手法を使っています。
例えば、「10%調整平均」は、上位と下位からそれぞれ10%のデータを除外して計算します。
今回の回答者の「10%調整平均」は、「2,550万円」でした。
これが、リタイア時までの貯金の目標と考えて良いでしょう。
貯金は「50万円未満」が一番多い
リタイア時の目標は「2,550万円」として、現時点では、どれぐらい貯金できているのでしょうか。
一番多い回答は「50万円以下」でした。
次に多いのが「0円」です。
この2つだけで、回答者全体の4割に達します。
つまり、30代/40代になっても、多くの人は貯金ができていないか、できていても少額であることが分かります。
では、貯金の平均は、どれぐらいなのでしょうか。
今回の回答者の「10%調整平均」は283万円でした。
この金額に比べると、「2,550万円」という目標は、かなり高いものであることが分かります。
70代でも「働いている」が6割以上
貯金だけでは老後が不安とすれば、いつまで働けば良いのでしょうか。
そこで、「70歳以降も働いていると思うか」と聞いています。
「働いていると思う」が6割強、「働いていないと思う」が3割強でした。
「働いていると思う」が一番少ない「30代女性」でも、半分以上が働くつもりです。
働く理由は、やっぱりお金
「70歳以降も働いていると思う」人に、理由を聞いています。
一番多いのは「経済的にゆとりのある生活をしたいから」と、「働かないと生活費が足りないと思うから」でした。
ともに、お金が必要という理由です。
70代で働く、一番の動機は「お金」なのです。
これ以外では、「仕事がないとすることがないから」「健康を維持するため」「社会とのつながりがほしいから」などが挙がっています。
30代40代なら、まだ間に合う
今回のアンケートでは、リタイア時に「2,550万円」欲しいと思っていながら、なかなか貯金ができていない実態がわかりました。
そのため、「70歳を過ぎても働く」と決意している人が、6割以上もいることも分かりました。
老後に働くつもりがあるのは良いことですが、30代40代からであれば、まだ貯金を増やすことができます。
給与から天引きできる預金などを利用して、将来に備えることを考えてください。
また、「iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA」などを利用して、投資を行なうこともできます。
これらの制度では、節税もできますので、よく制度を理解して検討してください。