東京都の新型コロナウイルス抗体保有率が1%を超える。前回の13倍に増加
新型コロナの抗体を持っている人を調査
厚労省が、「第2回抗体保有調査」の結果を公開しています。
この調査は、新型コロナウイルスの抗体を持っているかどうかを調べるもので、これが2回目になります。
今回の調査は、2020年12月に、5つの県で行なわれました。
対象となったのは、東京都、大阪府、宮城県、愛知県、福岡県で、それぞれ3千人前後の住民に血液検査を行ないました。
血液中に抗体があれば、その人が過去に新型コロナウイルスに感染したことがあると推定できます。
この検査は、2月に「速報値」が公開されていますが、今回は国立感染症研究所による試験を経た「確定結果」となります。
東京都では「1%」を超える
今回の検査で、もっとも抗体を持っている人が多かった「東京都」では、抗体の保有率は「1.35%」でした。
ついに、新型コロナウイルスに感染して、抗体を持っている人が、1%を超えました。
つまり、都民の100人に1人は、新型コロナウイルスに感染した経験があることが分かりました。
なお、東京都以外の県では、抗体の保有率は、まだ低く、地域差もあります。
半年前に比べると10倍以上に上昇
抗体検査は、今回で2回目で、前回は2020年6月に実施されました。
2回とも実施された3つの都県で、1回目と2回目を比べると、東京都では13倍、大阪府と宮城県では4倍に増えています。
つまり、半年の間に、それだけ新型コロナウイルスが広まったことになります。
まだ遠い「集団免疫」
今回の結果は、どのように判断すれば良いのでしょうか。
厚労省では、調査結果について、次のようにコメントしています。
抗体保有率については、地域差があるものの、依然として多くの方が免疫防御機能のある抗体を保有していないことが確認された。引き続き、基本的な感染防止対策の継続が推奨される。
新型コロナウイルスのような感染症の場合、その地域の人口の6割程度が免疫を持っていれば、感染の拡大が収まって、流行が終息に向かうと言われます。これを「集団免疫」と言います。
しかし、今回の調査結果では、新型コロナウイルスの抗体を持っている人は少なく、「集団免疫」の状態には、まだ遠いことが分かったのです。
新型コロナウイルスの勢いは止まらず、「第四波」の流行の兆しが見えています。
引き続き、マスクの着用や、「三密」を避けるなど、基本的な感染予防対策を行なってください。