新型コロナの影響で「酒場/ビアホール」の倒産が過去最多
過去3番目に多い倒産件数
企業情報調査会社の帝国データバンクが、2020年度の飲食店事業の倒産件数を公開してます。
倒産件数は「715件」で、2年連続で700件を超えました。
2000年以降でみても、3番目に多い数字です。
「酒場/ビアホール」は過去最多
飲食店の倒産件数を業態別に見ると、「酒場/ビヤホール」が183件でした。
183件という件数は、2000年以降で最多となりました。
また、「酒場/ビヤホール」の倒産件数は、飲食店全体の4分の1に当たります。
そして、「中華/東洋料理店」「西洋料理店」「日本料理店」が続きます。
「5千万円未満」の小規模な倒産が多い
倒産時の負債額を見ると、「5千万円未満」が、全体のほぼ8割を占めています。
これに「5千万円~1億円未満」を足すと、倒産件数全体の9割をしてます。
このように負債額倒産した飲食店の多くが、比較的小規模なものであることが分かります。
営業時間の短縮要請が大きく影響
この調査の対象となった2020年度は、新型コロナウイルスによる営業時間の短縮要請が多く、飲食店にとっては厳しい期間でした。
自粛により、夕食後から深夜にかけての営業ができなかったことが、「酒場/ビアホール」の倒産が過去最多となったことにつながっています。
また、負債規模を見ると、「5千万円未満」が8割近くを占めており、規模が小さい飲食店が、新型コロナによる営業自粛で体力が尽きて倒産に至ったものと思われます。
なお、今回の調査は「負債総額1千万円以上」で、破産などの「法的整理」を受けた法人や個人事業主を対象としています。
家族経営をしている小規模な居酒屋などは、大きな負債を抱える前に自主的に閉店している例もあるので、実際にはもっと多くの「酒場/ビアホール」が市場から消えていると思われます。
2度目の「緊急事態宣言」の解除後も、大都市を中心に営業時間の短縮要請は続いており、2021年度も飲食店、特に「酒場/ビアホール」にとって厳しい状況が続くでしょう。