新型コロナの影響で、「居酒屋」の倒産件数が過去最高に

[2021/4/12 00:00]

「居酒屋」の倒産が過去最高

企業情報調査会社の東京商工リサーチが、2020年度の「居酒屋」の倒産件数が過去最高だったと報告しています。

2020年度の居酒屋の倒産は「175件」で、過去最高だった2019年度の149件を上回りました。

東京商工リサーチでは、「2020年度は、新型コロナ感染拡大で営業時間の短縮や休業要請があったほか、テレワークの浸透や外出自粛などで居酒屋への客足が一気に遠のいた」としています。

出典:東京商工リサーチ

「販売不振」が約9割

倒産の原因で一番多いのは「販売不振」でした。

居酒屋の倒産のうち、89%を占めています。

東京商工リサーチでは、「長引くコロナ禍で、休業や時短営業の継続が売上減少に直結し、さらに『新しい生活様式』の浸透で外食需要も減退しており、居酒屋を取り巻く経営環境は厳しさを増している」と分析しています。

「販売不振」以外の原因としては、甘い事業計画による創業などの「事業上の失敗」や、長年の「赤字の累積」が挙がっています。

「事業の消滅」が9割以上

175件の倒産のうち、「破産」が166件を占めます。

「特別清算」の2件も含めて、居酒屋の倒産のうち、9割以上が事業の消滅を意味しています。

事業の再建をめざす「民事再生法」の利用は6件に留まりました。

倒産した居酒屋のうち、9割以上が「資本金1千万円未満」で、資金力に乏しいことも、経営再建の難しさにつながっています。

同じ居酒屋でも、大資本のチェーン店ならば、事業の再建を目指すことができますが、資本が小さく店舗数が限られている零細企業では、売上の不振が、事業の消滅につながってしまうのです。

[シニアガイド編集部]