ホテルの倒産が急増。コロナの影響でリーマンショックや東日本大震災並みの件数
[2021/4/17 00:00]
倒産理由の半分以上が「新型コロナウイルス」
企業情報調査会社の帝国データバンクが「宿泊業者の倒産動向調査」を公開しています。
2020年度の宿泊業者の倒産件数は「125件」でした。
倒産件数は、昨年度に比べて1.66倍に増加しました。
増加の理由は新型コロナウイルスです。
新型コロナウイルスによる影響を、直接の原因とする倒産は72件あり、全体の半分以上を占めています。
なお、2020年度の「125件」という数字は、リーマンショック後の2008年度(131件)、東日本大震災後の2011年度(130件)に次いで、過去3番目に多い数字でした。
オリンピック向けの設備投資が仇(あだ)に
倒産した宿泊施設の大半は「ホテル・旅館」で、117件でした。
時期的に、インバウンド需要の取り込みや東京オリンピック・パラリンピックに向けて、新規開業や施設の改修を行なっていた宿泊施設が多く、借金を抱えた状態で打撃を受けました。
帝国データバンクでは、「コロナ禍で海外からの訪日外国人旅行客が激減し、緊急事態宣言後に宿泊予約のキャンセルが相次ぎ施設の休業を余儀なくされ、経営が立ち行かなくなったケースが目立つ」としています。
倒産件数が多い「長野県」
倒産した宿泊施設を、地域別に見ると、一番多いのは「中部地方」でした。
特に「長野県」が多く、「中部地方」の30件のうち、10件を占めています。
帝国データバンクでは「スキー宿泊客の減少で業績が悪化するなか、新型コロナウイルスの影響が追い打ちとなった事例もあった」としています。
そして、「近畿」「関東」と、海外からの観光客と人口が多い地域が続きました。