介護保険料が2.5%上昇。平均が月に6,000円を超える
月額6千円を超える
厚労省が、全国の介護保険料の集計結果を公開しています。
2021年度からの介護保険料の全国平均は月額「6,014円」でした。
これは、これまでの「5,869円」よりも2.5%高くなり、6千円を越えました。
介護保険料は、制度創設以来、ずっと上がり続けており、今後も増額が予想されています。
年金から天引きされる保険料
今回、集計されたのは2021年度~2023年度に行なわれる「第8期 介護保険事業計画期間」の保険料です。
介護保険は、65歳以上の人を対象とした「第1号保険者」と、40歳以上65歳未満を対象とした「第2号保険者」に分かれていますが、今回は「第1号保険者」を対象としています。
つまり、65歳以上の人の多くが、年金から天引きされる保険料と思えば良いでしょう。
なお、「第2号保険者」の保険料は、健康保険と一緒に徴収されます。料率は収入の2%が目安です。
介護保険料は地域による差が大きい
介護保険は、地域の自治体が主体となっています。
そのため、介護保険料の金額も、地域ごとに異なっています。
下のグラフを見ると、介護保険料の地域差は大きいことが分かります。
下は3千円台、上は8千円以上まで、3倍近い差があります。
介護保険料が安い自治体の上位を見てみましょう。
- 北海道 音威子府村 3,300円
- 群馬県 草津町 3,300円
- 東京都 小笠原村 3,374円
- 宮城県 大河原町 3,800円
- 埼玉県 鳩山町 3,800円
逆に、介護保険料が高い自治体の上位は次の通りです。
- 東京都 青ヶ島村 9,800円
- 秋田県 五城目町 8,300円
- 福島県 葛尾村 8,200円
- 岩手県 西和賀町 8,100円
- 大阪府 大阪市 8,094円
ご覧のように、同じ東京都の島でも、小笠原村と青ヶ島村では、3倍近い大きな差があります。
介護保険料は、「地方だから高い」とか「地方だから安い」というわけではなく、それぞれの地域の事情によって、大きく変わるのです。
大都市圏は「やや高め」
最後に、大都市圏の介護保険料を見てみましょう。
- 東京都 千代田区 5,400円
- 神奈川県 横浜市 6,500円
- 愛知県 名古屋市 6,642円
- 大阪府 大阪市 8,049円
- 福岡県 福岡市 6,225円
ほとんどの大都市は全国平均を上回っています。
さらに、大阪市のように飛び抜けて高いところもあります。
大都市の介護保険料は「やや高め」とは言えますが、地域による差も大きいのです。
介護保険料は、大切な年金から天引きされるお金です。
定年後の移住などを考える場合は、金額の確認を忘れないようにしてください。
すべての自治体の介護保険料の一覧は、厚労省のサイトで公開されています。