独自の対策で「緊急事態宣言」に立ち向かう沖縄県

[2021/5/23 00:00]

沖縄の事情に合わせた新型コロナ対策

「沖縄県」に「緊急事態宣言」が発令され、5月23日から6月20日にかけて、さまざまな「緊急事態措置」が行なわれます。

「緊急事態措置」は、「飲食店での酒類とカラオケの提供禁止」など、他県と共通したものもありますが、沖縄県の風土に沿った独自の施策も用意されています。

沖縄県の資料をもとに、沖縄県ならではの新型コロナウイルス対策を紹介しましょう。

出典:沖縄県

県外から沖縄にこないでほしい

沖縄県の緊急事態措置で、強く打ち出されているのが「来訪の自粛」です。

具体的には「県外からの来訪(帰省を含む)について、緊急事態措置期間は自粛してください」と明確に要請されています。

やむを得ず来訪した場合でも「PCR検査」が用意され、「来訪後も、県民の方との会食などの接触は控えるようお願いします」としており、行動が強く制限されます。

沖縄県では、2020年の4月に「来沖(らいおき)の中止」と称して、県外からの沖縄訪問を中止するように呼びかけました。

今回の「来訪自粛」は、それ以来の強い措置と言えます。

出典:沖縄県

離島との往来を自粛

次に、県民に対する行動制限の要請に沖縄県のならではの事情が盛り込まれています。

県民に対しても「都道府県間の移動/往来は自粛すること」とされており、PCR検査や会食の制限などが義務付けられています。

そして「離島との往来は自粛すること」とされています。

沖縄県内の離島は、医療体制が弱く、島にウイルスが持ち込まれると、医療が維持できないのです。

出典:沖縄県

模合(もあい)やビーチパーティーを自粛

また県民に対する行動制限では、「模合(もあい)、ビーチパーティーなど飲食につながるイベント等は自粛すること」とされています。

「模合」は、沖縄独特の文化で、金融や飲食を伴なう仲間内のコミュニティです。本土で言う「頼母子講(たのもしこう)」や「無尽(むじん)」に似ています。

「ビーチパーティー」も沖縄流では、浜辺でバーベキューをして、のんびりと過ごします。

これらの行事は、お酒を伴うことが当たり前なので、それを自粛させることで、新型コロナウイルスの感染を防ぐ狙いがあります。

このような行動制限は県民だけではなく、「県内に滞在している」観光客などにも要請されています。

救急車を呼ぶのを控えてほしい

また、沖縄県内では、医療制度が危機的状況にあるため、県独自の方針として「不要不急な救急受診は控えること」を呼びかけています。

体調不良時は、かかりつけ医を受診し、発熱時は県のコールセンターを利用することで、救急出動を避けるよう呼びかけています。

救急出動を制限しなければならないほど、新型コロナウイルスによる重症者が、医療機関を圧迫しているのです。

出典:沖縄県

止めなければいけないという決意がにじむ

沖縄県では、「緊急事態宣言」を避けるために、4月12日から「まん延防止等重点措置」を発令して、飲食店の営業時間を制限するなどしていました。

しかし、新型コロナウイルスの勢いは止まらず、緊急事態宣言に追い込まれてしまいました。

それだけに、今回は、県内の事情に合わせた緊急事態措置が用意されており、沖縄県の必死な決意が感じられます。

県外の人もそれを尊重して、「緊急事態宣言」中は、沖縄を訪れることは自粛してください。

[シニアガイド編集部]