定年後に再雇用されても、年収が4割減る
3千人のシニアに聞いた調査
パーソル総合研究所が「シニア人材に関する調査」の結果を公開しています。
2021年1月に行なわれたインターネット調査には、50歳以上のシニア従業員3,000人が回答しています。
「60歳定年」が7割
所属先の企業が定めている定年について聞いたところ、「60歳」が約7割でした。
次に多いのは「65歳」で約2割です。
「定年なし」という人は3.4%しかいません。
定年後は収入が4割減る
定年後の再雇用による年収の変化について聞いています。
回答者の約9割は、再雇用によって年収が下がりました。
下がった割合は、平均で「44.3%」でした。
つまり、定年後に働くことができても、収入が4割も減るのです。
定年後も仕事の内容は変わらない
再定年後の職務の変化を聞いています。
半分以上の人は、定年前と「ほぼ同様の業務」でした。
つまり、仕事の内容は、定年の前後で変わらないのに、収入は減るのです。
シニア向けの研修があるのは半分
シニア向けの教育や研修について聞いたところ、約5割が「実施されていない」と回答しています。
また、「実施されているが、充実していない」という回答も約3割あります。
つまり、きちんとした研修が受けられたシニアは、約2割しかいません。
会社の教育制度に頼らず、自分自身で学ぶ必要があることが分かります。
70代以上で働きたい人は約1割
「いつまで働き続けたいか」について50代と60代に分けて回答を集計したところ、60代の方がより高い年齢まで働きたい傾向が強いことが分かりました。
しかし、「71歳以上生涯働けるまで」と回答した人は、50代も60代も約1割しかいません。
つまり、多くの人は、70歳まで働ければ良いと考えています。
これが正しいとすれば、2021年4月に施行された「改正高年齢者雇用安定法」により、70歳まで働けるようになったことで、多くの人の希望が満たされたことになります。
問題は、定年後にどのような働き方を選んで、どれぐらいの収入が得るかということでしょう。