「緊急事態宣言」以後に大きく減少した、2020年の「妊娠届」
新型コロナの流行が「妊娠」にも影響
新型コロナウイルスの流行は、私達の生活に大きな影響を与えています。
その一つとして、子供の妊娠が大きく減っていることが分かりました。
この記事では、厚労省のデータをもとに、新型コロナウイルスが妊娠に与えた影響を紹介します。
妊娠届けを見ると、将来の出生数が分かる
厚労省では、各自治体に提出された「妊娠届」の数を集計しています。
「妊娠届」は、義務付けされたものではありませんが、「母子健康手帳」の交付や、産前産後のサポート事業などに利用されるため、多くの妊婦が提出します。
2019年には、93.3%の妊婦が、妊娠11週までに届け出を行なっています。
「妊娠届」の数を見ることで、そこから30週後(約7カ月後)の出生数の目安を知ることができるのです。
2020年は4.8%も減少
2020年の妊娠届け出数は、「87万2,227件」でした。
これは、2019年の91万6,590件に比べて、4.8%も減少しています。
ただし、「妊娠届け出数」の減少は、ここ数年続いており、2020年だけが特別に減ったわけではありません。
問題は、その減り方にあります。
「緊急事態宣言」以後に大きく減少
2020年の「妊娠届け出数」の特徴は、5月以降に大きく減少したことです。
2020年の「妊娠届け出数」は好調で、特に3月は、前年を大きく上回る届け出がありました。
このため、1月から4月までの累計は、前年とほぼ差がありませんでした。
2020年の「妊娠届け出数」は、きわめて好調と言って良い状況だったのです。
しかし、新型コロナウイルスが流行し、東京都などに「緊急事態宣言」が出されからは、「妊娠届け出数」が大きく減少します。
5月以降は、ずっと前年を大きく下回る状態が続き、最終的には、前年より4万件以上減ってしまいました。
2021年に入っても減少が続いている
現時点で一番新しい2021年1月の「妊娠届け出数」は「7万6,985件」でした。
これは、2020年の「82,835件」より、7.1%も下がっており、新型コロナウイルスによる妊娠数の減少傾向が続いていることが分かります。
「妊娠届け出数」の減少は、出生数の減少に直結しており、最終的には人口の減少傾向に拍車をかけることになります。
新型コロナウイルスの流行は、現在だけではなく、将来の日本にとっても大きな重荷となっているのです。