国民年金の保険料の納付率。「沖縄」と「島根」で20%以上の差
国民年金の保険料を払っていない人が2割以上いる
厚労省が、国民年金の保険料の納付状況を公開しています。
令和2年度(2020年度)の最終納付率は「77.2%」でした。
これは前年度よりも0.9%上がっています。
最終納付率というのは、2年間の納付期限が切れる2018年度分の国民年金の保険料が納められた割合を指します。
つまり、国民年金加入者の2割以上が、期限までに保険料を払わずに、未納となってしまったのです。
年齢が進むにつれて払う人が増える
保険料の納付率は、加入者の年齢によって大きく異なります。
納付率が一番低いのは「25~29歳」で「68.59%」しかありません。
しかし、年齢が高くなるにつれて、納付率が上がっていきます。
もっとも納付率が高い「55~59歳」になると、「84.12%」に達します。
つまり、若いうちは「年金は払っても無駄になるから」と思って払わない人が多いのですが、年金を受け取れる年齢が近くなってくると納付する人が増えるのでしょう。
国民年金は20歳から60歳までの40年間、保険料を支払います。
しかし、保険料を払った期間が10年に足りないと、年金がもらえません。
逆に言えば、それまでずっと保険料を払っていなくても、50歳からの10年間、保険料を納付すれば、年金を受け取ることができます。
そのため、50代になると保険料の納付率が上がるのでしょう。
ただし、保険料の納付期間が短いと、それに応じて、受け取れる年金も少なくなることも覚えておきましょう。
対称的な「島根」と「沖縄」
もう一つ、国民年金の保険料の納付率は、都道府県によって大きく異なります。
納付率の全国平均は「77.16%」です。
しかし、一番納付率が高い「島根県」では「87.86%」と、10%も高くなっています。
一方、一番納付率が低い「沖縄県」では「66.74%」で、全国平均よりも10%も低くなっています。
つまり、島根県と沖縄県では、納付率に20%以上の差があります。
納付率が高い県
- 島根県 87.86%
- 新潟県 87.51%
- 富山県 86.27%
納付率が低い県
- 沖縄県 66.74%
- 大阪府 70.60%
- 東京都 73.39%
実は「未納」の人は少ない
公的年金加入者の多くは、サラリーマンで厚生年金に入っているので、年金保険料は給与から天引されます。
つまり、未納をしたくてもできません。
多くの社会人は、自分が年金の保険料を納めているという意識もないままに、100%に近い割合で、年金保険料を納付しているのです。
年金保険料を「未納」にできるのは、保険料を自分の手で払っている「国民年金」に入っている学生や自営業に限られています。
ときどき「国民年金の保険料を払っていない人が20%以上もいるのだから、自分も払わなくて良い」という人がいますが、実は「未納」している人は、ごく一部なのです。
「未納」の仲間は、思っているほど多くありません。
具体的には、公的年金加入者が6,740万人いるなかで、未納者は115万人に過ぎません。
全体からみれば、未納者は「1.7%」でしかありません。
「20%以上の人が未納」というのは幻なのです。
できるだけ払えるときは払い、どうしても払えないときは「免除」などの制度を申請して、「未納」のデメリットを避けてください。