「緊急事態宣言」が近い東京都の現状。新規陽性者数が1日千人を超える試算も
7月末が危ない
7月1日に開催された、東京都の「新型コロナウイルス感染症モニタリング会議」では、東京都の感染爆発を示唆する情報が多数公開されました。
中には、7月末には、新規陽性者が、現在の2倍の1日千人を超えるという試算もあります。
この記事では、その資料をもとに、東京の流行状況を紹介します。
4週間後には、新規陽性者が1日千人に
東京都の新規陽性者は、3週間連続で増加が続いています。
新規陽性者の7日間平均は、6月23日には418人/日でしたが、6月30日に502.7人/日に増えました。
先週からの増加の割合も120.3%に増えました。
この割合で、増加が続くと、2週間先の7月14日には「約724人/日」に、4週間後の7月28日には「1,043人/日」に達します。
たった4週間で、1日当たりの新規陽性者が2倍になってしまうのです。
なお、1日当たりの新規陽性者が千人を超えると、第3波の流行のピークだった1月6日以来となります。
すでに「ステージ4」に踏み込んだ指標も
新規陽性者の増加に伴い、国が定めたステージを判断するための指標も、悪化しています。
すでに「新規報告者数」と「療養者数」は、「ステージ4」になりました。
他の指標も、「ステージ3」となっています。
基本的には「ステージ4」が「緊急事態宣言」の、「ステージ3」が「まん延防止等重点措置」の発令の目安とされています。
現在、東京都は「まん延防止等重点措置」が発令中ですが、このままの状況が続くと、4回目の「緊急事態宣言」に追い込まれる可能性があります。
デルタ株の割合が倍増
新型コロナウイルスは変異を続けており、常に新しい「変異株」が登場しています。
現在の流行の中心は、N501Y変異を持つ「アルファ株」ですが、インドで確認されたL452R変異を持つ「デルタ株」は、これまで以上に感染力や病原性が強く、警戒の対象となっています。
東京都の調査では、6月7日からの1週間で「デルタ株」の割合は3.2%でした。
しかし、翌週の6月14日からの1週間では、8.4%と倍以上に増えています。
「デルタ株」の増加を迎えて、これまで以上に警戒が必要です。
都心と繁華街で陽性者が増加
最後に、東京のどのあたりで新規陽性者が増えているのかを見てみましょう。
下の地図は「人口10万人あたりの新規陽性者数」を示したものです。
区部(23区)と市部(都下)を比べると、区部の方が色が濃いことがわかります。
特に「千代田区」「新宿区」「中央区」の3区が多く、それに「港区」と「渋谷区」が続きます。
いずれも、都心部か繁華街がある、人通りの多い区です。
人の移動の多いところで、流行しやすいという新型コロナウイルスの特徴が、ここにも表れています。
ワクチンを除くと、新型コロナウイルスの予防は「マスクの着用」や「三密を避ける」などに限られています。
人混みのある場所に出かけて、飲食をすることは、当面の間は避けましょう。