日本の年金資産が、1年間で「37兆円」の収益。国内外の株高が貢献

[2021/7/4 00:00]

株式市場の好調を受けて大幅な黒字

2020年度の「年金積立金」の運用が好調で、37兆円を超える黒字になったことが分かりました。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によれば、2020年度の収益は「37兆7,986億円」に上りました。

このうち、約20兆円が「外国株式」、15兆円が「国内株式」、2兆円が「外国債券」の収益です。

「日本債券」のみ、約2千億円の赤字となりました。

このように投資分野別に見ると、国内外の株式市場の高騰が、大きく寄与したことが分かります。

出典:GPIF

「年金積立金」は将来の年金のために蓄えられている

「年金積立金」は、将来の年金給付を補うために蓄えられている資金です。

将来は、年金財源全体のうち約1割が、積立金からまかなわれる予定です。

年金積立金の運用が好調なことは、年金の将来にとっても明るい話題なのです。

出典:GPIF

20年の投資で、2倍に増やす

2020年度末の時点で、GPIFが運用している資産は「186兆1,624億円」となりました。

このうち「95兆3,363億円」は、運用による収益です。

2001年以来、運用を続けることで、年金積立金を、ほぼ倍に増やすことができました。

GPIFが投資を行なうことに批判的な意見もありますが、ここまでのところ、赤字の年があっても、それを補う黒字で、年金積立金を増やすことに成功しています。

ただし、現在のGPIFは、投資の半分を国内外の株式に向けています。

今後、株価が下がる状況になったときには、赤字が報道されるでしょう。

ただし、短期的に赤字の時期があっても、トータルでは大幅な黒字になっていることは覚えておいても良いでしょう。

出典:GPIF
[シニアガイド編集部]