日本人の高齢者の3割は「親しい友人がいない」。いる場合も「同性」が中心
国際調査でわかった友人関係
日本の高齢者は、親しい友人が少ないということが、政府による国際調査で明らかとなりました。
この調査は、日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの4カ国において、高齢者の生活環境を探るために行なわれました。
この記事では、家族以外の「親しい友人」についての結果を紹介します。
日本人の3割は「親しい友人がいない」
「親しい友人の有無」を聞いたところ、日本では「いない」という回答が「31.3%」もありました。
他の国は、日本の半分の10%台が多く、明らかな差があります。
性別で異なる日本人の交友関係
では、日本人の高齢者は、どんな交友関係を築いているのでしょうか。
交友関係には、男女間で、大きな差があるので、性別を分けて見てみましょう。
一言で言うと、男性は「親しい友人がいない」が一番多く、女性は「親しい友人は女性のみ」が一番多いのです。
まず、「親しい友人がいない」という人は、男性が40%、女性が23%でした。
そして、女性は55%と半分以上の人が、同性である女性にのみ親しい友人がいます。
男性は、女性ほどではありませんが、同性の友人のみがいる人は30%を超えます。
男女とも、異性の友人がいる人は少なく、交友関係は同性同士が基本です。
異性の友人がいない日本の高齢者
異性の友人が少ないという傾向は、日本の交友関係の特徴です。
国別で見ると、「同性、異性の両方の友人がいる」割合は、日本だけが極端に低くなっています。
もしかすると、日本の高齢者は、「男女間の付き合いは友情ではなく恋愛関係としてしかとらえられない」とか、「男性と女性の文化が違いすぎて話題が共有できない」などの問題があるのかもしれません。
さらに、男性には、友人の性別の問題以前に、「親しい友人がいない」という問題があります。
老後生活の孤独を避けるためにも、現役時代から、広い範囲で、人と人とのつながりを築いておくことが大切です。