東京都の新型コロナ、「第3波をはるかに超える危機的な状況に」
予想を上回る新規陽性者の増加
7月21日に開催された、東京都の会議において、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者が急増し、過去最大だった2021年1月の「第3波」を上回る予想となりました。
この記事では、その資料をもとに、東京の流行状況を紹介します。
「2週間を待たずに過去最大を超える危機」
この会議では、曜日の影響を避けるために、新規陽性者の数を過去7日間の平均で見ています。
7月20日 時点の新規陽性者数は「1,170人」で、千人を超えました。
7月14日時点の「817人」から149%も増加しています。
このままのペースで行くと、7月27日には「1,743人」、8月3日には「2,598人」に達します。
この増加ペースは、過去最大だった2021年1月の「第3波」のペースを上回っています。
そして、新規陽性者数も「第3波」のピークであった「1,816人」を超えてしまいます。
つまり、「2週間を待たずに、第3波をはるかに超える危機的な感染状況」になると予想されます。
23区が流行の中心
東京都の新規陽性者は、どこで発生しているのでしょうか。
東京都は人口の偏りが大きいので、ここでは「人口10万人当たりの新規陽性者数」で見ています。
これを見ると、都心を始めとする「23区(区部)」での発生が多いことが分かります。
特に、千代田区、港区、新宿区、渋谷区、中央区では、新規陽性者数が100人を超えています。
つまり、人の移動が多い区ほど、新規陽性者が多く発生していることが分かります。
可能であれば、人の多い23区内は避けて行動してください。
デルタ株への置き換わりが進む
また、東京都で流行している新型コロナウイルスは、N501Y 変異を持つ「アルファ株」から、L452R 変異を持つ「デルタ株」への置き換わりが進んでいます。
「デルタ株」の割合は、7月初旬の「21.5%」から、「30.5%」へ上昇しました。
感染性が高いとされている「デルタ株」に置き換わることで、さらに感染拡大の勢いが増す可能性があります。
病床も足りなくなりつつある
東京都の現状を、国の「ステージ判断」に当てはめてみましょう。
多くの項目は「ステージ4」または、それに近い「ステージ3」の状態です。
病床についても、「病床全体」では少し余裕がありますが、「重症者用病床」の使用率が「ステージ4」に入っており、余裕が無くなって来ています。
これ以上、新規陽性者数が増えると、「病院に入りたくても入院できない」とか「入院中に重症になっても重症用の病床に移れない」という状態になってしまいます。
現時点でできることは、できるだけ新型コロナウイルスの感染を避けることです。
引き続き、「三密を避ける」「マスクを着用する」など、基本的な感染予防方法を守ってください。
また、あなたや家族が、ワクチンを接種できるのであれば、できるだけ早く、接種することを検討してください。