70代でも半分以上の人が利用している「LINE」
シニア世代のSNS事情
野村総研グループのNRI社会情報システムが、「社会のデジタル化」に対するシニア世代の意識調査の結果を公開しています。
この記事では、その中からソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用状況を紹介します。
2021年3月に行なわれたインターネット調査には、50歳から79歳の男女3,000人が回答しています。
圧倒的な「LINE」の利用率
主要なSNSの利用状況を聞いています。
一番利用率が高いのは「LINE(ライン)」で、59.0%でした。
以下、「Facebook(フェイスブック)」「Twitter(ツイッター)」「Instagram(インスタグラム)と続きますが、いずれもLINEの半分にも届きません。
「70代」でも半分以上の人が利用
LINEの強さは年齢を選びません。
50代、60代、70代の3つの年代すべてで、一番利用されているSNSでした。
しかも「70代」でも52.6%と、半分を超えています。
LINEの利用率は、他のSNSを圧倒しており、よく利用されている動画視聴サイト「YouTube(ユーチューブ)」に、ほぼ匹敵しています。
「働いている女性」は70%以上が利用
LINEの利用率を、男女および職業の有無で比べています。
もっとよく利用しているのは、「働いている女性」で73.8%でした。
逆に、もっと使っていないのは「働いていない男性」で43.8%です。
「働いている女性」と「働いていない男性」の間では、LINEの利用率が30%もの差があります。
男性と女性を比べると「女性」が、職業の有無で言うと「働いている」人の方が、LINEをよく使っています。
SNSは「人」や「デジタル」との接点
SNSは、自分の情報発信だけでなく、人が発信した情報の収集や、人とのコミュニケーションの手段として大切な存在となっています。
特にSNSは、通常では切れてしまいやすい「人間関係」をつなぎ止めておくための手段としても有効です。
また、人生の後半になってから「ネット」や「スマホ」が登場したシニア世代にとって、SNSはデジタル化された社会や機器と自分をつなぐ接点としても重要な存在です。
それだけに「働いていない男性」のLINEの利用率の低さは気にかかります。
これは単にSNSを使っていないというだけではなく、「働いていない男性」の社会的なコミュニケーションが少ないことを示しているのでしょう。
定年退職後の男性の人間関係が希薄なことは各種の調査で明らかですが、SNSの利用率もそれを裏付けているのです。