「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大に向かっている」東京都の新型コロナ
予想を上回る新規陽性者の増加
7月29日に開催された、東京都の会議において、「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大に向かっている」という痛切なコメントが公開されました。
このコメントは、新型コロナウイルス感染症の新規陽性者が、連日3千人を超える現状を指して発言されたものです。
過去7日間の平均でも、新規陽性者は「1,936人/日」と2千人に迫りました。
すでに、1月の第3波のピーク時を上回っています。
新規陽性者が、このままの増加率で増えていくと、8月11日には「4,532人/日」と予想され、「医療の提供体制が危機に瀕する」とコメントされています。
新規陽性者は23区が多い
新規陽性者の分布を、保健所別の実数で見ると、世田谷の929人が最も多く、次いで新宿区827人、足立区638人、港区602人、大田区511人と続きます。
「区」という狭い地域で、1,000人近い新規陽性者が出ていることから、今回の流行の激しさが分かります。
そして、人口10万人あたりの新規陽性者数を見ると、23区の保健所の比率が一様に高いことが分かります。
23区の住民および、そこに日常的に出入りしている人は、厳重な注意が必要なのです。
すでに、入院したくてもできないことがある
東京都では、新型コロナ患者専用の病床として、重症用病床392床、中等症等用病床5,575床、計5,967床を確保しています。
しかし、入院患者数は、6月下旬から約1か月で倍増しており、医療体制に余裕がなくなってきました。
すでに、本来であれば、入院が望ましい病状であっても、入院先が決まらずに「入院調整中」や「自宅療養」になってしまう例が出始めています。
そして、この状況は、今後、さらに厳しくなることが予想されます。
「ワクチン接種」の検討を
新型コロナの感染と重症化の予防には、ワクチンの接種が有効とされています。
しかし、東京都のワクチン接種状況は、7月28日時点で、12歳以上では1回目41.9%、2回目26.8%に留まっています。
65歳以上に限ると、1回目83.1%、2回目69.7%と高めなので、今後は現役世代への接種が課題となります。
23区内では、千代田区を始めとするいくつかの区で、ワクチンの接種枠に余裕があります。
さらに、8月分の接種枠を増やすことを検討している区もあります。
もし、あなたとその家族が「接種券」を持っていて、ワクチンの接種が可能な状態であれば、もう一度、予約枠の空きを確認してください。
また、三密を避けることや、マスクの着用など、日常的な予防も続けましょう。