「2週間後には1万人を超える」東京都の新規陽性者数
初めて5千人を超えた新規陽性者
東京都の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者は、8月5日には「5,042人」と過去最高値を更新しました。
新規陽性者数が5千人を超えたのは、これが初めてです。
さらに、東京都の専門家会議では、「2週間後には1万人を超える」と予測しており、「この危機感を現実のものとして皆で共有する必要がある」と強い警告を発しています。
公開された報告書をもとに、予測の内容を紹介しましょう。
2週間後には「1万人」を超える
東京都の新規陽性者数を、曜日の影響を除くために、過去7日の平均で見てみましょう。
8月4日には「3,443人/日」に達し、ほぼ1カ月で約7倍に増えました。
報告書では「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大が進行している」と警告しています。
さらに、現在の増加傾向が続くと、2週間後の8月18日には「10,909人/日」となり、1万人を超えます。
報告書では「医療を適切に提供することが不可能な危機に直面する」と警告し、「この危機感を現実のものとして皆で共有する必要がある」と、呼びかけています。
すぐに入院できる人は「11%」だけ
新規陽性者数が急増したことによって、その対応も大きく変わりました。
8月4日時点で、療養が必要と判断された人は「29,703人」でした。
しかし、このうち「入院患者」は11%しかいません。
すでに、かなりの重症でない限り、入院して治療を受けることが難しい状況になっているのです。
また、ホテルなどを利用して医療関係者が配備される「宿泊療養者」に入れる人も6%しかいません。
一番多いのは「自宅療養者」で50%、行き先が決まらず自宅待機となる「入院・療養等調整中」が33%です。
つまり、新型コロナウイルスの新規陽性者となり、療養が必要と判断されても、現状では「自宅療養」になると思った方が良いでしょう。
体温計やパルスオキシメーター(酸素濃度計)など、病状を把握するための医療機器を、手元に準備しておきましょう。
「デルタ株」が6割を超える
東京都の新規陽性者数が大きく増えたのは、「デルタ株」と呼ばれる新しい種類の新型コロナウイルスが増えていることも原因とされています。
報告書では「アルファ株からデルタ株への置き換わりが急速に進み、爆発的な感染拡大が進行している」とコメントしています。
「デルタ株」は、「従来よりも感染性が2倍高い」とされており、同じ状況であっても、ずっと感染しやすくなっています。
「デルタ株」は、7月25日の時点で、都の検査数の「64.6%」を占めており、すでに感染の主役となりました。
「デルタ株」の感染を防ぐ方法は、これまでのアルファ株などと変わりません。
「三密の回避」「マスクの着用」「手洗い」など、基本的な感染予防対策が推奨されています。
「デルタ株」の流行で、新型コロナに感染しやすくなったことを頭に入れて、これまでよりも慎重に行動してください。