約20年で100兆円を超えた、「年金積立金」の運用収益
[2021/8/10 00:00]
20年で100兆円を稼ぐ
将来の年金支給に備えて運用されている「年金積立金」の収益が、100兆円を超えたことが分かりました。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によれば、2021年第1四半期の時点で、運用による収益が「100兆3,182億円」に達しました。
GPIFによる運用は、2001年度から始まっているので、約20年間の投資によって、100兆円を稼いだことになります。
また、「年金積立金」の資産額は「191兆6,189億円」なので、運用したことによって、資産が倍になりました。
長期的な投資が成功
「年金積立金」の投資は、国内外の株式と債券に4等分して行なわれています。
4つの分野の搭載が、すべて成功しているわけではありませんが、分散して投資することによってリスク(危険性)を下げています。
例えば、2021年第1四半期では、「国内債券」が赤字になりましたが、残りの3つの分野の黒字が、それを埋めています。
しかし、分散投資をしていても、投資の半分は「株式」に投じられているため、短期的には大きな損失が出ることがあります。
そのため、「日本の年金運用は失敗している」という印象を受けがちですが、20年を通してみれば投資は成功しているのです。
「年金積立金」は将来の年金のために蓄えられている
「年金積立金」は、将来の年金給付を補うために蓄えられている資金です。
少子化が進む将来には、年金財源全体のうち約1割が、積立金からまかなわれる予定です。
年金積立金の運用が好調なのは、年金の将来にとって、良いニュースと言えるでしょう。