新型コロナのワクチンを2回接種すると感染する確率が17分の1に減る

[2021/8/21 00:00]

ワクチンは本当に有効なのか

新型コロナウイルスに感染した「新規陽性者」が増え続ける様子が、毎日、伝えられています。

「新規陽性者数が過去最高」というニュースを見ていると、「ワクチンの接種が進んだと言っていたのに、新規陽性者が減らないのはおかしい。ひょっとしたら、ワクチンが効かないのではないか」という疑問が浮かびます。

そこで、データを確認すると、「新型コロナワクチンを2回接種すると、接種しない人よりも、新型コロナにかかる確率が17分の1に減る」ことが分かりました。

つまり、ワクチンは効いているのです。

国の会議に提出された資料をもとに、くわしく見ていきましょう。

「新規陽性者」の8割はワクチンを接種していない

新型コロナの新規陽性者になった人は、ワクチンを接種しているのでしょうか。

8月10日から12日の3日間に新規陽性者となった、5万7千人のワクチン接種率を見てみましょう。

一番多いのは、ワクチンを接種していない「未接種」で82%でした。

新規陽性者の大部分は「未接種」の人なのです。

ワクチンを「2回接種」した人が3%、「1回接種」した人が5%でした。

つまり、ワクチンを接種しても、新型コロナに感染しないわけではありませんが、その数はとても少ないのです。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

ワクチンの接種率は半分近くまで来ている

いま、人口の何割ぐらいがワクチンを接種しているのでしょう。

8月12日現在で、ワクチンを接種している人は「2回接種」が35%、「1回接種」が10%でした。

両方を合わせると、全人口の45%が、ワクチンを接種しています。

まだ、5割以上の人は「未接種」ですが、ワクチンの接種も半分近くまで進んでいることが分かります。

ワクチンを接種した人の割合は、全人口では45%ですが、新規陽性者では8%でした。

つまり、ワクチンを接種すると、新型コロナにかかりにくいと言えそうです。

出典:厚労省のデータをもとに編集部が作成

ワクチンを2回接種すると、新規陽性者が17分の1になる

ワクチンを接種すると、どのぐらい新型コロナにかかりにくくなるのか、数字を見てみましょう。

ここでは、人口10万人当たりの新規陽性者数で比較します。

ワクチンが「未接種」の人は、人口10万人のうち、新規陽性者になった人が「67.6人」でした。

これが、「1回接種」になると「22.7人」になります。

つまり、ワクチンを1回接種すると、3分の1に減ります。

さらに、「2回接種」では「4.0人」に減ります。

「未接種」と比べると、なんと16.9分の1ですから、17分の1と言って良いでしょう。

新規陽性者が17分の1に減るのですから、「ワクチンを接種することで、新型コロナにかかりにくくなる」と言って良いでしょう。

出典:厚労省

ワクチンを打てば、新型コロナにかかりにくくなる

今回のデータによって、「ワクチンを打てば、新型コロナにかかりにくくなる」という、はっきりした結果が出ました。

とくに、2回接種すると、かなり有効です。

あなたや家族が、ワクチンの接種を迷ったときには、参考にしてください。

[シニアガイド編集部]