一都三県で7万人を超える「自宅療養者」が発生。入院できるのは10人に1人
東京都周辺の県も「緊急事態宣言」が発令中
埼玉県、千葉県、神奈川県は、隣接する東京都との関係が深く、人の行き来も多い地域です。
新型コロナウイルスの流行についても、東京都が悪化すると、その影響を大きく受けてしまいます。
東京都に続いて、2021年8月2日には、この3つの県にも「緊急事態宣言」が発令されています。
その後の主な状況を紹介しましょう。
全国平均を超える「新規陽性者数」
最初に、東京都を含む、一都三県の「新規陽性者数」を見てみましょう。
ここでは比較しやすいように、人口10万人当たりの数字となっています。
2021年の7月以降には、東京都を追うような形で「新規陽性者」が増えていることが分かります。
いずれも、全国平均を大きく上回っており、深刻な状況です。
すでに病床が足りなくなっている
新規陽性者数が増えると、病院の病床の使用率が上がります。
3つの県の病床の使用率は、国のステージ4の基準である「50%」を大きく上回っています。
これだけ使用率が高いと、すでに病床が足らない状況です。
新規陽性者になったり、重症になったとしても、簡単には入院できません。
新規陽性者のうち、症状が軽い人は「自宅療養」となります。
また、病院の病床が足りない場合も「調整中」という名目で「自宅療養」を強いられます。
「自宅療養」と「調整中」を併せると、東京で3万人、埼玉が2万人、千葉と神奈川も1万人前後が、自宅で療養をしています。
一都三県の自宅療養者数は、約7万4千人に及びます。
「入院」が5%しかない埼玉県
ここからは、県別に「新規陽性者」になったときの、療養先を見ていきましょう。
まず、埼玉県です。
埼玉県では「入院患者」は5%だけです。
つまり、「新規陽性者」になって療養する場合に、入院できる可能性は20人に1人しかありません。
これは東京都の9%よりも、さらに厳しい数字です。
「新規陽性者」になっても、9割以上の人は自宅で療養しているのです。
「入院」が10%の千葉県
千葉県の「入院患者」は10%で、埼玉県よりは多く、東京都並みです。
それでも、「新規陽性者」の8割以上は、自宅で療養しています。
「自宅療養」が86%の神奈川県
神奈川県の「入院患者」は、千葉県と同じ10%です。
神奈川県では「調整中」という項目を設けていないので、「自宅療養」の割合が86%と高くなっています。
一都三県では「入院」することが難しい
今回の調査で、東京都に隣接する、埼玉県、千葉県、神奈川県でも、新型コロナウイルスの流行はすさまじいことが分かりました。
すでに病院のベッドは足りなくなっており、満床に近い状態です。
自宅療養となった人も多く、一都三県で7万人以上に及びます。
特に埼玉県では、「入院」できる割合が5%と低く、かなりの重症でなければ入院できないことが予想されます。
「新規陽性者」になったり、重症になったら、入院して治療してもらえると考えてはいけません。
いま必要なのは感染しないために、できることは全部やることです。
各県が発令している感染予防対策に従って、新型コロナウイルスに感染しないように努めてください。