感染拡大が止まらない「東京都」の流行の中心地はどこか

[2021/8/24 00:00]

感染拡大が止まらない東京都

東京都の新型コロナウイルス感染症は、感染の拡大が止まりません。

1日の「新規陽性者数」が5千人を超えることも珍しくありません。

また、1週間の平均で見ても、4千人を超えています。

つまり、週に3万人以上の患者が発生しているのです。

これは、極めて危険な状況と言えるでしょう。

1カ月前の中心地は「都心部」だった

では、東京都の流行の中心地は、どこなのでしょう。

東京都では、新規陽性者は、保健所ごとに集計されています。

ただし、陽性者は、勤務先などで医療を受ける場合もあるので、その保健所が管轄する地域に住んでいるとは限りません。

そこの住民だけではなく、昼間に出入りしている人も含めての数字です。

地域によって人口には差がありますから、ここでは「人口10万人あたりの新規陽性者数」で見てみましょう。

例えば、1カ月前の7月19日の時点では、23区の都心部と、その周辺の区が濃い紫色で塗られており、流行の中心でした。

市部(都下)や、島部は、薄い黄色なので、人口あたりの新規陽性者が少ないことが分かります。

出典:東京都

紫色一色になった「東京都」

しかし、8月16日時点の同じ地図を見ると、23区だけではなく、市部も島部も、すべて紫色一色となっています。

新型コロナウイルスが都内全域に広がり、1カ月前とは比べ物にならないほど、新規陽性者が発生しているのです。

現在の流行の状況は、最初に、この図を考えた、東京都の担当者の想定を大きく上回ってしまったのです。

出典:東京都

人が多く集まる「都心5区」が中心

東京都では、仕方なく、「人口10万人あたりの新規陽性者数」の区分を変えた、新しい地図を公開しています。

これまでは上限が「60人」でしたが、新しい地図では「300人」と、5倍に増やしています。

つまり、目盛りを5倍に拡大しないと、今の都内の様子を表現することができないのです。

この地図を見ると、新規陽性者の発生が多いのは、千代田、中央、港の、いわゆる「都心3区」に、新宿と渋谷を加えた「都心5区」が中心であることが分かります。

これに、中野と豊島を加えた、7つの区が、現在の流行の中心です。

つまり、人が多く集まる区ほど、新型コロナウイルスが広がりやすいという知識が、今回も有効であることが確認できます。

忘れてはいけないのは、市部や島部でも、以前の目盛りの地図では濃い紫色に塗られており、新規陽性者の発生は十分に多い状況です。

都心部との差は、程度の問題であって、決して安心して良い状況ではありません。

出典:東京都

「都内全域」が流行の中心

最初の「東京都の流行の中心地は、どこなのでしょう」と言う問に答えるならば、「都内全域です」というのが正しい答えなのです。

それぐらい都内のどこでも新型コロナウイルスが流行しています。

「新規陽性者数」が発生した数で見ても、23区と市部の大部分は、1週間で千人前後が出ていますから、おおげさな表現ではありません。

いつも居る場所、暮らしている場所でも安心せずに、予防に努めてください。

出典:東京都
[シニアガイド編集部]