新型コロナによる、企業破綻が2千件を超える。「飲食業」など特定の業種に集中

[2021/9/6 00:00]

「破綻」した企業が2千件を超える

企業情報サービスの東京商工リサーチが、新型コロナウイルス感染症を原因とする企業の破綻(はたん)が、通算で2千件を越えたと発表しています。

東京商工リサーチによると、2020年2月に統計を開始した「新型コロナウイルス関連の企業破綻」は、2021年9月の時点で「2,031件」となりました。

負債額が1千万円以上で、すでに倒産手続きに入ったものに限っても「1,829件」に及びます。

「飲食業」など、特定の業種に集中

「新型コロナ関連破綻」の特徴は、倒産した企業の業種が特定の業種に集中していることです。

もっとも多いのは「飲食業」で349件でした。

「飲食業」は、新型コロナとした行なわれている「緊急事態宣言」による休業や時短営業、酒の販売制限など、新型コロナの影響を受けやすい業種です。

次に多いのが「建設業」で187件でした。

「建設業」は、新型コロナによる工事の見直しなどが原因となっています。

そして、小売店の休業が影響した「アパレル(衣料)」と、旅行の制限が影響した「宿泊業」が続きます。

この2つも、「緊急事態宣言」の影響を受けやすい業種です。

「緊急事態宣言」の影響を中心に、「新型コロナ関連破綻」は特定の業種に集中しやすい構造なのです。

出典:東京商工リサーチのデータをもとに編集部が作成

正社員だけで2万人以上に影響

「新型コロナ関連破綻」した企業の従業員は、正社員だけで2万682人に上ります。

アルバイトやパートなども含めると、もっと多くの人の生活に影響しているでしょう。

破綻した企業の従業員数は、「5人未満」が5割、「5人以上10人未満」が2割を占めています。

従業員数が少ない小規模な企業は、もともと体力がないため、新型コロナの影響を受けやすいのでしょう。

出典:東京商工リサーチのデータをもとに編集部が作成

再建できる企業は、ごく一部

「新型コロナ関連破綻」のもう一つの特徴が、「破産」が多いことです。

1,625件の企業が「破産」を選んでおり、全体の88%を占めます。

破綻した企業には、いくつかの選択肢があります。

その一つである「破産」は事業を停止し、負債を清算する手段です。

つまり、その会社が再建されることなく、市場から退場する選択肢なのです。

破綻した企業は、業績不振が続いていたところに、新型コロナがとどめを刺した形が多く見られます。

もともとの業績が悪いので、再建してやり直しても、先行きの目処(めど)が立ちません。

そのため、企業を再建して、再び事業を行なう、「会社更生法」や「民事再生法」を選択する企業が少ないのです。

今後も「破綻」の可能性は高い

新型コロナウイルス対策のための「緊急事態宣言」が出ている都道府県は、9月5日現在で21に及びます。

さらに、「緊急事態宣言」が9月12日で終了せずに延長される可能性が高いとされています。

そのため、今後も「飲食店」「建設」「アパレル」「宿泊」などの業種において、破綻に至る企業が発生する可能性が少なくありません。

自分の勤める企業や、取引先企業などについて、新型コロナの影響を見極めておく努力が必要でしょう。

[シニアガイド編集部]