4割以上の企業は、フリーランスを使う場合でも年齢制限がある
エンジニアを雇う企業の担当者にアンケート
シニアエンジニア向けの求人サイト「SEES」が、「シニアエンジニアについての意識調査」の結果を公開しています。
2021年8月に行なわれたインターネット調査には、エンジニアを雇う企業の担当者1,018人が回答しています。
この調査では、フリーランスと契約する場合でも、一定の年齢制限を設けている企業が4割以上もあることが分かりました。
なお、ここでは「シニアエンジニア」を、フリーランス/派遣/外部人材/外部業務委託などの形で働く50歳以上のエンジニアと定義しています。
年齢制限がある企業が4割以上
「外部人材を利用する際に年齢制限を設けていますか」と質問しています。
一番多い回答は「設けていない」で、5割を越えました。
しかし、「40歳以上は採用しない」「50歳以上は採用しない」「60歳以上は採用しない」など、年齢制限を設けている企業も4割を越えています。
現状としては、雇用ではなく、社外の人材を使う場合でも、年齢を制限している企業が少なくないと言えるでしょう。
フリーランスは自営業なので、自分の意思で何歳までも働けるイメージがありますが、契約先の需要は、一定の年令までに限られるのが実情です。
「新しい技術に追いつけない」というイメージ
次に、「年齢制限を設けている理由」を聞いています。
一番多かった回答は「新しい技術に付いてこられない 付いてこられていない気がする」でした。
シニアエンジニアは、「新しい技術のキャッチアップが苦手」といったイメージが強いことが分かります。
また、「同じ能力でも単価が上がりがち」「体力面に不安がある」など、年令からくるイメージも理由として挙がっています。
「真面目で正確」が年令制限を超えるポイント
では、どんな人間性を持つ人材であれば、年令が高くても採用しようと思ってもらえるのでしょうか。
一番多い回答は「真面目で正確にやってくれる」でした。
ほかにも、「信頼性が高い」「納期を確実に守る」など、確実さが求められていることが分かります。
そして、「コミュニケーション力が高い」や「協調性が高い」などが挙がっています。
共に働く上で、必要とされる人間性は、年令を問わずに共通なのです。
求められているのは「専門性」
今度は、「技術面で、どんな要素があれば、年齢が高くても採用しようと思うか」と聞いています。
一番多い回答は「高い専門性」で、6割以上の人が挙げています。
技術面に関しては、「その道のエキスパート」と言える能力が期待されているのです。
そして、「環境に適応できる」能力があれば、言うことはありません。
「技術」も「人間性」も求められる
回答者の4分の3以上は、シニアエンジニアと実際に仕事をしたことがあります。
しかし、「仕事と人間性の両方で満足した」という回答は半分にも届いていません。
そして、「仕事は満足したが人間性では不満を感じた」が3割を越えています。
つまり、「オレは技術屋だから、技術だけ提供すれば良い」という姿勢ではダメだということです。
中には「仕事も人間性も不満を感じた」という人さえいます。
外部の人材として企業に採用されるには、「仕事ができる」ことは大前提です。
しかし、外部の人間であっても、共に働く仲間である限り、一定以上の「人間性」も必要とされます。
「仕事ができて、人柄も良いので、ぜひ次もお願いしたい」と言われるような人材ならば、年令など問われることなく仕事が舞い込むことでしょう。