「第5波」で亡くなった人の8割は、ワクチンを接種していなかった
東京都の「第5波」の死者を分析
新型コロナウイルス感染症で亡くなった人の8割は、ワクチンを接種していなかったことが分かりました。
これは、8月にピークを迎えた、新型コロナウイルス感染症の「第5波」の死者について、東京都が分析したものです。
都の会議に提出されたデータをもとに、第5波の死者の特徴を紹介します。
死者の8割はワクチンを射っていなかった
2021年8月1日から9月20日に、新型コロナが原因で、東京都内で亡くなったのは「484人」でした。
そのうち、ワクチンが「未接種」だったのは「325人」です。
これは全体の「78.9%」にあたります。
つまり、コロナによる死者の8割は、ワクチンを射っていなかったのです。
ワクチンだけでは死亡は防げない
新型コロナの死者のうち、ワクチンを「1回接種」した人は9.2%、「2回接種」した人は11.9%でした。
ワクチンを接種すると、重症化が抑えられるはずなのに、意外と多くの人が亡くなっています。
今回のデータでは、その理由が2つ見つかっています。
死者の98%は「60歳以上」
一つは「年令」です。
新型コロナは、当初から、年令が高いと重症化しやすく死亡に至りやすいとされてきました。
今回のデータでも、それが実証されています。
例えば、ワクチンを2回接種したのに死亡した人のうち、98%は「60歳以上」でした。
「60歳未満」で、ワクチンを2回接種しながら亡くなった人は、1人しかいなかったのです。
「基礎疾患」がある人が9割以上
もう一つは「基礎疾患」の有無です。
ここで言う「基礎疾患」の範囲は広いのですが、例えば、呼吸器、心臓、腎臓、肝臓などの慢性の病気や、BMI 30以上の肥満が、それに当たります。
ワクチンを2回接種したのに死亡した人のうち、「基礎疾患」がある人は、91.8%でした。
ワクチンを射った上で、予防対策もする
今回のデータから、どんな教訓が得られたのでしょう。
まず、「ワクチンを接種すると、死亡する可能性は下がる」と言えます。
あなたやあなたの家族が、ワクチンが接種できる状態であれば、できるだけ早く接種を受けましょう。
もう一つは、「ワクチンは万能ではない」ということです。
「60歳以上の高齢者」や「基礎疾患を持っている」など、もともとのリスク(危険性)が高い人は、ワクチンを2回接種していても、重症化して死亡する可能性があります。
自分の持つリスクが高い人は、それを自覚して、そうでない人は、リスクの高い人にうつさないために、マスクの着用や人混みを避けるなどの予防対策を続けてください。