新型コロナで「家族葬」と「一日葬」が増加。会食を避ける工夫も

[2021/10/8 00:00]

新型コロナで一変した「お葬式」

葬儀社の「むすびす」が、新型コロナウイルス感染症による葬儀の変化について、レポートを公開しています。

新型コロナ以後は、「家族葬」や「一日葬」が増えています。

それぞれの家族の事情に応じて、葬儀と告別式、火葬を2日間で行なう、これまでの定形にとらわれない葬儀が増えています。

いくつかのデータから、その変化を見てみましょう。

最初の「緊急事態宣言」で「家族葬」が増えた

首都圏1都3県では、新型コロナ以前から、家族や親族、故人と親しかった方だけが参列する「家族葬」が葬儀の主流でした。

しかし、最初の緊急事態宣言が発令された2020年4月以降、その傾向がさらに顕著になっています。

現在では、「むすびす」で行なう葬儀の9割以上が「家族葬」となっています。

出典:むすびす

「一日葬」の増加

もう一つの変化は、「一日葬」の増加です。

葬儀と告別式、火葬を1日で行なう「一日葬」の割合は、緊急事態宣言の発令以後に増加しました。

これは、少しでも、人と人とが接触する機会を減らそうという気持ちが強くなった結果でしょう。

出典:むすびす

1年単位で見ても、2020年は初めて「一日葬」が「二日葬」よりも多くなりました。

新型コロナウイルスへの配慮が、葬儀を大きく変えつつあるのです。

出典:むすびす

また、「二日葬」を行なう場合でも、参列者を家族だけに限定し、参加人数を減らす例も出てきています。

形式はいままで通りでも、参加者を少なくすることで、「三密」になる機会を減らすことが目的です。

会食を避ける工夫

もう一つ、新型コロナ以後の葬儀で変わったのが、「会食の廃止」です。

故人を偲ぶ会話を交わしながらの食事は、感染予防上からは好ましくありません。

例えば、会食の代わりに、カタログから食品ギフトを選べるグルメチケットを渡すなど、食事を共にしない手段が普及し始めています。

故人や家族の事情に合わせて葬儀の形式を選ぶ

新型コロナの流行囲碁は、葬儀を営まず火葬だけを行なう「直葬(じきそう)」「荼毘式(だびしき)」「火葬式」などと呼ばれる形式も増えています。

「直葬」は、最初の緊急事態宣言以降、新型コロナへの恐怖から、急速に増えました。

しかし、感染予防対策を行えば、ふつうの葬儀ができることが分かってからは、落ち着いた動きになっています。

現在、葬儀を行なう場合は、「家族葬」「一日葬」「直葬」から、故人や家族の事情に応じて、自由に選択できる状態になっています。

葬儀を行なう場合は、こうでなければならないと決めつけず、冷静に業者と打ち合わせをして、自分の家族に合った形式を選択してください。

[シニアガイド編集部]