コロナ禍で、安全な移動空間として再認識された「自家用車」
コロナ禍による自動車利用の変化
調査会社のJ.D. パワー ジャパンが、「コロナ禍でのカーライフや車の意向アンケート」の結果を公開しています。
2021年6月に行なわれたインターネット調査には、20歳から69歳の2,800人が回答しています。
利用した移動手段の1位は「自家用車」
新型コロナウイルスの流行前と流行後に利用していた移動手段を聞いています。
一番多いのは「自家用車」でした。
しかも、コロナ前の66%から、コロナ後は68%に増えています。
次に多いのが「近距離移動のための公共交通機関」でした。
しかし、こちらは36%から33%に減っています。
また、「遠距離移動のための公共交通機関」や「レンタカー」も、コロナ前よりコロナ後の方が少なくなっています。
そして、「カーシェアリングサービス(カーシェア)」は、横ばいでした。
コロナ前より利用が増えた人が2割を超える
自家用車の利用変化を、もう少しくわしく見てみましょう。
実は、一番多いのは、コロナ前と比べて「変わらない」です。
しかし、コロナ前と比べて「増えた」は22%で、「減った」の10%を上回っています。
利用する理由は「密を避けるため」
では、どうして自家用車を利用する人が増えたのでしょうか。
一番多い理由は「密を避けるため」で、60%を超えました。
やはり、他人と同じ交通機関に乗って「密」になることが避けるために、自家用車を選ぶ人が増えているのです。
新型コロナウイルスの流行によって、自分たちだけで利用できる移動空間である「自家用車」の魅力が再認識され、利用者が増えたと言えるでしょう。
「レンタカー」「カーシェア」は減少
しかし、増えたのは「自家用車」だけで、自動車の利用全体が増えたわけではありません。
自家用車以外の利用手段である「レンタカー」と「カーシェア」は、いずれも、コロナ前よりも、コロナ後の利用が減っています。
「レンタカー」は、旅行の際に使われることが多いので、旅行需要自体が少なくなっていることが影響して大きく減りました。
また、「レンタカー」や「カーシェア」は、自分や家族だけが使うのではなく、同じ自動車を不特定多数の人が利用することも、一つの原因でしょう。
同じ自動車であっても、自分たちの専用である「自家用車」と、誰かと共有する「レンタカー」や「カーシェア」とでは、移動空間の安全性という意味で評価に差があるのです。
新型コロナウイルスは、私達の生活に大きな影響を与えましたが、利用する交通機関についても、「自家用車」の再評価と利用増加という変化をもたらしたのです。