国民生活センターが、正しい結果が出ない「新型コロナ用検査キット」を警告
問題が多い、新型コロナ用検査キット
国民生活センターが、新型コロナウイルス用の検査キットについて、警告を発しています。
検査キットは、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判定するための製品です。
しかし、現在、インターネットなどで入手できる製品で、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを正確に判定できるものは、ほとんどありません。
この記事では、実例をもとに、新型コロナウイルスの検査キットの問題点を紹介します。
本当は「陽性」なのに「陰性」と出てしまう
まず、国民生活センターに寄せられた実例を紹介しましょう。
実例1:正しい結果が出ない
新型コロナウイルスの陽性と判断されたため、同居の家族の感染について市販の抗原検査キットを使って調べたところ陰性だった。
しかし、その家族がPCR検査を受けたら陽性と判定され、その後、同じ抗原検査キットで検査しても陰性だった。
実は、現在、一般に販売されている検査キットのうち、国の承認を得ているのは、「体外診断用医薬品」として販売されている一部の抗原検査キットだけです。
多くの製品は、「研究用」などと称する、性能の保証もない、あいまいな製品なのです。
なかには、「厚労省承認済み」と偽って販売し、摘発された例もあります。
国民生活センターでは「検査キットの結果だけでは新型コロナウイルスに感染しているか判断はできません」と警告しています。
自分で採血できないと使えない
また、一般の人が検査キットを使いこなせない場合もあります。
実例2:操作が難しくて使えない
購入した抗体検査キットは自分で血液を採取して検査容器に落とすことで結果を確認するものだった。
自分で血液を採取するとは思っておらず、実際に試してもうまくできなかった。
ウェブサイトをみたときは簡単に検査できると思ったが、説明が足りないのではないか。
国民生活センターでは「利用前には、『検査で確認できること』や『検体のとり方・送り方』を確認しましょう」と警告しています。
最終的には医師の診断が必要
これらの実例で分かるように、結果が不正確だったり、操作が難しかったりする検査キットが少なくありません。
どうしても手元で結果が知りたい場合は、「体外診断用医薬品」と書かれた検査キットを使うことをおすすめします。
これは、もともとは医師用に認可を受けている製品なので正確性は期待できます。
しかし、それでも、自分が使った結果については、あくまでもセルフチェックであり、正式な診断結果ではありません。
最終的な診断が必要なときは、医師の診断を受けるしかありません。
今は混み合っていない時期ですから、できるだけ早く、医師の診察を仰ぎましょう。
なお、現在は、発熱などの症状が出ているときだけ無償で受けられるPCR検査ですが、症状が出ていない場合でも無償にする準備が進んでいます。
そうなれば、もっと気軽にPCR検査が受けられるになり、検査キットが必要とされる機会が少なくなるでしょう。