自宅から介護施設への送迎。遅れる原因は「交通渋滞」と「利用者の準備不足」
介護施設の「送迎」についてのアンケート
家族の自宅介護をしていると、「送迎」の機会が少なくありません。
例えば、介護中の家族がデイサービス(通所介護施設)やデイケア(通所リハビリテーション施設)を利用すると、そのつど自動車による「送迎」が発生します。
そんな送迎の状況について、IT企業のクオリテックが調査を行ないました。
2021年11月に行なわれたインターネット調査には、送迎の利用者508人と、送迎スタッフ508人が回答しています。
送迎が遅れたことがある人は「4割」
介護施設の「送迎」は、出かける家族とともに、自宅の玄関前で迎えの自動車を待つのが基本です。
そして、帰ってくる予定の時刻には玄関まで迎えに出ます。
「送迎」は、家族を在宅介護をしている人にとって、1日の区切りとなる重要な仕事です。
それだけに、送迎の自動車が遅れるのは歓迎できない事態です。
「介護送迎が遅れることはありますか」と質問したところ、さすがに「頻繁にある」は3%しかありませんでした。
しかし、「たまにある」は、40%を超えます。
「これまで最大でどのくらい遅れたことがありましたか」と聞くと、「10分以上20分未満」が最多でした。
そんなに長い時間ではありませんが、ただ待つことしかできないので、耐えるしかありません。
10分ぐらい遅れたら、連絡が欲しい
「送迎車が遅れた際に、連絡はありましたか」という質問に、6割以上が「はい」と答えています。
かなり高い割合で、きちんと連絡が来ていることが分かります。
さらに、「送迎車が遅れる場合、どのくらい遅れるなら連絡がほしいと思いますか」と聞いています。
「10分以上20分未満」と「5分以上10分未満」が3割ずつでした。
だいたい、10分前後の遅延が予測される場合は、連絡が欲しいということでしょう。
遅れる原因は「交通渋滞」と「利用者の準備不足」
ここまでは、送迎を待つ家族の意見を聞いてきました。
ここからは、送迎を行なう側のデイケアやデイサービスの送迎スタッフの意見を聞いてみましょう。
「介護の送迎が遅れる原因は何ですか」という質問で一番多いのは、「交通渋滞などの道路事情」でした。
これは、ある程度は不可抗力と言えるでしょう。
対策としては、混みやすい場所を避けるなどの送迎ルートの見直しぐらいしかありません。
しかし、次に多いのが「乗降時における利用者への対応」でした。
つまり、送迎する人の準備ができておらず、すぐに乗ってくれないことで、遅れることがあるのです。
トイレを含めた「事前の準備」が重要
送迎スタッフに、「送迎を待つ間に利用者側にしておいてほしいこと」を、コメント形式で聞いています。
- すぐ出かけられるように、段取りをきちんと済ませてほしい(30代男性)
- お手洗いは事前に済ませてほしい(30代男性)
- 外に出て待つことができれば待っていてほしい(20代女性)
つまり、着替えや手荷物の準備、トイレなどをきちんと済ませて、すぐに出かけられるようにしておいてほしいと希望しています。
介護福祉施設の送迎は、ほとんどの場合、1カ所だけではなく、複数の家庭を回ります。
一人が、5分遅れると、その後に回る家庭にも迷惑がかかってしまいます。
特に送り出すときは、迎えが来たら、すぐに出られるように準備して、送迎を待つように心がけてください。