東京都の医療体制、まだ余裕はあるが油断は禁物
1日に「4,000人」を超えた新規陽性者
東京都の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者は爆発的な増え方をしています。
新規陽性者は、1月14日から3日連続で4,000人を超えています。
では、いま新型コロナウイルスに感染したら、どのような措置が受けられるのでしょうか。
東京都の資料をもとに、客観的なデータを紹介します。
いま新規陽性者になると「自宅療養」か「宿泊療養」になる
まず、1月12日時点での、新規陽性者の処遇を見てみましょう。
この時点で、療養を受けている人は「8,376人」でした。
その中で、一番多い処遇は「自宅療養」で33%です。
ついで、まだ行き先が決まっていない「調整中」が30%、ホテルなどでの「宿泊療養」が25%です。
つまり、いま、新規陽性者になったとすると、「自宅療養」か「宿泊療養」になる可能性が高いと思って良いでしょう。
症状がある程度重く、病院に「入院」している人は12%に留まっています。
まだ余裕がある、病院のベッド
なお、新型コロナに対応した病床の使用率は、「13.7%」ですから、まだ余裕があります。
今の時点で入院患者が少ないのは、医療崩壊でベッドが足りないのではなく、症状が軽く、入院する必要がある人が少ないからであることが分かります。
東京都による評価を見ても、「医療提供体制」は、4段階の上から3番目で、まだ余裕があることが分かります。
今なら「重症患者」用ベッドも空いている
「入院」している人は、新規陽性者の12%ですが、実際の人数は「945人」です。
前の週は「373人」でしたから、1週間で2.5倍に増えています。
ただし、人工呼吸器などを必要とする「重症患者」は「4人」で、前の週から1人しか増えていません。
まだ、重症者用の病床の使用率は「0.8%」しかありません。
万が一、重症患者になっても、今なら必要な治療を受けられると思って良いでしょう。
まだ大丈夫だが、油断は禁物
今回の流行は、感染力が強いオミクロン株が主流となり、1週間で倍以上に増える爆発的な感染拡大が続いています。
この記事で示したデータは、1月12日現在のものですが、毎日、毎日、状況は悪化していきます。
今の所、新規陽性者や入院患者が恐ろしい勢いで増えているのに対して、重症患者はあまり増えていません。
しかし、重症になる人の割合が低くても、新規陽性者が増え続ければ、いつかはベッドがいっぱいになってしまうので油断は禁物です。
まだ、昨年8月の「第5波」のような医療崩壊に近い状況にはなっていません。
この状況ができるだけ長く続くように、マスクの着用や人混みを避けるなどの予防措置を、これまで通りに続けてください。