1年間で1万4千人も減った「東京23区」の人口

[2022/2/3 00:00]

人口が減る「東京23区」

2021年の1年間で、東京23区(東京特別区)の人口が約1万4千人も減ったことが分かりました。

総務省が行なった住民基本台帳をもとにした調査によれば、2021年に東京23区に転入した人は「365,174人」でした。

一方、東京23区から転出した人は「380,002人」でした。

差し引きで「14,828人」減ったことになります。

東京23区からの「転出」が、他県からの「転入」を上回ったのは、調査が今の形になった2014年以来、初めてとなります。

出典:総務省のデータをもとに編集部が作成

「東京都」は増えている

「東京23区」の人口は減少しましたが、「東京都」全体で見ると転入の方が多く、人口が増えています。

2021年の東京都への転入数は420,167人、他県への転出数は414,734人でした。

差し引きで「5,433人」人口が増えています。

しかし、東京都の転入超過数は、2020年から2年連続で減っています。

新型コロナが流行する前の2019年は82,982人でした。

それに比べると、10分の1以下に下がっています。

出典:総務省のデータをもとに編集部が作成

一方、東京都周辺の県は転入が増えています。

転入超過数は、神奈川県が31,844人、埼玉県が27,807人、千葉県が16,615人で、それぞれ2014年以来、もっとも多くなりました。

つまり、東京都への人口集中は弱まりましたが、一都三県への人口集中は勢いを増しているのです。

出典:総務省のデータをもとに編集部が作成

新型コロナで左右される23区の人口

今回の調査結果を見ると、新型コロナウイルス感染症の影響が強く感じられます。

新型コロナが流行し始めた2020年からの動向を見ると「東京圏には魅力を感じていても、必ずしも東京都に住まなくても良い、特に23区は避けたい」という意思が感じられます。

東京への転入者は、住む場所を決めるときに、人が集まりやすい「23区」を避けているのでしょう。

また、リモートワークの普及によって通勤の機会が減り、「会社に近い23区内に住まなくても良い」という判断を下す人が増えているのでしょう。

東京23区に人が戻ってくるかどうかは、今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況で変わるでしょう。

今の「第6波」のように、大規模な感染拡大が終わらない限り、23区の人口が回復することは難しいでしょう。

[シニアガイド編集部]